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      発音の正しさと基準についての続きです。
      始めに、誰もが気になる
正しい発音について考えてみましょう。
    (内容的には 5.正しい発音の基準 と重複します)

    結論からいうと、「唯一正しい発音」などというものは存在しません。

     母音は主にアゴの下げ方で、子音は主に息のスピードでそれぞれ
     音が決まります。アゴをどこまで下げるか、それはその人次第。
     息をどのくらいのスピードで吐き出すか、それもその人次第。
     いずれも十人十色です。

     その典型な例が「開く音
a」。これほどバリエーションが多く、
     人さまざまという音は日本語にはありません。



  30音DVDで Amy さんが a, a, aunt と発音します。
  このとき、単音の
a と 単語の a は微妙に異なります。

  その後 Amy さんが Th
ank you. と言うとき、
  アゴは単語の
a ほど下がっていません。


   ■違いを聞いてみよう

    30音トレーニングでは、”開く音 a は「エ → ア → 」と発音する”
    と説明し、「エ」の強さは人により異なると説明しています。
    実際、その通りだからです。


   二人の aunt を聞いてください

   
 

  男性: Is she your aunt?
  女性: Yes, she's my aunt.

解説

  二人はアメリカ人ネイティブで、プロのナレーターです。
  だから二人の発音は正しいのですが、 a の発音はいささか異なっていて、
  男性の方が「エ」の音素を強く発音しています。
  発音記号で表すと、いずれも []です。

  次の男性もアメリカ人ナレーターですが、a を、「エ」を
  入れないで発音する人です。

 Not bad.

  彼の場合、Not の o と bad の a が同じ音になるので、
  聞き取り練習用の問題を録音することができませんでした。

  彼が「お風呂 bath 」をどう発音するのか、見当がつくでしょう。  

   「エ」がない a

 男性: Ann took a bath.

   ■ 発音の正しさと基準について

    []の発音が三人三様、十人十色では困るではないか、
    と思えるのですが全然困らないのです。

    三人ともアゴを下げながら「 ア〜 」と発音するので、
    ハッキリ a であることが分かるからです。
    「狭い音 u」は短く、「〜」の変化がありません。

    つまり、
    正しい発音とは
「開く音」と「狭い音」との違いが分かるように発音すること
 
    それが基準となります。

    gut のイメージを「ガット」としたら、got は「ガ〜ット」となり、
    「〜」のアゴを下げながら作り出す微妙な変化が決め手となります。

    「〜」の部分は個人差があるので、
許容範囲内であればいいと
    いうことになります。だから gut - got が区別されていれば、アゴ
    の下げ方は自分で決めていいのです。
    uncle - aunt の区別も同様です。
  
    また、
    英語の波打つイントネーションは「〜」の延長にあるので、この音を知り、
    真似ることで英語の聞こえ方が変わってくるのです。
    それが発音練習の大きな効果の一つでもあります。



  
 開く音は、a も o も、アゴを
 下げながら発音します。
   ↑ mouse over ↓  ※アゴを下げてから発音すると「〜」の
 変化がなくなるので要注意!


     
 ← 言い始めの形。

   Amy さんにマウスを重ねると
   言い終わりの形になります。
 



  【注】英語の発音は、「開く音」と「狭い音」を区別すれば万事OKというものではありませんが、 
      両者を区別することが極めて重要であり、通じる発音、使える英語の基本となります。


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