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 #107
Nakanoさんの場合  TOEIC 860

「現在、IT 関連の仕事をしています。これまでに短期の海外出張が数回あった程度。約3年前に30音DVDを購入したのをきっかけに、細々と勉強を開始しました。
今後、社内の若い人達に英語を指導できるようになれればと思っています。」


   ということでトレーニングとなりました。


 30音トレーニング 体験レポート

はじめに

30音DVDで練習するも、どうにも頭打ちになってしまい、これ以上、自分でどうしていいかわからなくなったので、トレーニングをお願いしました。

皆さんも思い当たると思います。
自分の声を聞くと何かがおかしく、リスニングも、あるレベルからなかなか向上しない。
そんな状態になっていませんか?

これまでの練習で、何ができるようになっていて、また何がまだできていないのかを、もう判断できない所に来てしまった。改善しなきゃと思う反面、これ以上我流で進めると悪い発音を強化するだけにならないかと、不安になり身動きできなくなってしまった。

こういうことは独習をする上で、誰もがぶつかる壁だと思います。

こりゃもう先生に聞くしか!
というわけで早起きして、関西から春うららな南房総まで、
はるばる行ったわけですが、これが大正解でした。

もちろん、トレーニングを受けたからと言っていきなり流暢に話せるようになったり、なんでも聞き取れるようになるわけではありません。しかし、今、自分にできていることと、できていないことを明確にしていただき、これから何をどうすべきかの助言をいただいたので、また前に進めるようになったのは大きいです。身近な所に目標を設定していただけたので、とてもやる気が出ました。(そして遠大な目標までいただいてしまったのですが・・・それは最後に)

                     

トレーニングの中で意外だったのは、個々の発音はOKで、実用的にはさほど問題がないという評価。また、子音と母音のバランスや共鳴音について殆どコメントされなかったこと。まあ、先生のおっしゃる「実用レベル」をどう解釈するかですが、それでも、独習でやってきたことが無駄では無かった、と少しほっとしました。とは言え、問題点が少なかったわけではありません。

自分が指摘を受けたのは、結局のところ、他の皆さんが指摘されていることと変わりません。指摘事項は大きく分けて次の4点です。

1. Sの音が不明瞭。長さも短い。

2. 息のスピードが遅い。

3. イントネーションが平坦、リズムもおかしい。

4. 口調が暗い。

  以下、詳述します。


1. Sの音が不明瞭、長さも短い

そこ! そこのあなた!
なーんだSもまともにできない奴なのか、と思わないように。
一応「実用レベル」評価なんですからね(笑)。
あなたより上手かもしれませんよー。

DVDでも30音練習帳でも最初に出てくるSですが、
発音練習はSに始まりSに終わる、と言っても過言ではありません。

Sは「息のスピードが速い音」として皆さん、
sssss!、sssss!、s!p!a!ce! space!
なんて死ぬほど練習してると思います。
そしてよっぽどの人でない限り、「よしSは完了!」として、さっさと
次の練習に移っているでしょう。

リスニングでもSの音を聞き間違えたり、聞き落としたりなんてことは、まずありません。これを読んでいる皆さんの多くは、「BとVはたまに間違えたり、なんといっても、LとRは難しいけど S は大丈夫」と思っているでしょう。隠さなくてもいいです。絶対にそう思っているでしょう。私もそうでした。

甘いから!(笑)
それはもうハチミツに練乳加えたくらいに甘いです。

私もまさか、自分のSがあんなだとは夢にも思っていませんでした。
波形で見ると一目瞭然。
皆さんも是非、おなじみの In that case 〜 の case の語尾を
お手本と比較してみてください。

お手本のSの波形は、上下の幅が非常に小さく殆ど直線。音もカミソリのように切れ味鋭い。対して、私のSは、ゲジゲジのように無数の手足を上下に生やしていて、とても太い。当然、雑音だらけ。長さもお手本の半分くらいしかありません。

「息が漏れているので、sh の音にも聞こえますね」
先生に冷たくそう言い放たれて、いきなり肩を落とすことになってしまいました(涙)
                     

恐ろしいことに、
Sの音が不明瞭だと、文章全体が不明瞭になってしまうのです!

単語の切れ目がはっきりしなくなって、意味の取りにくい、とても
ぼやけた音声になってしまうからなのです。自分で聞いて恐怖
しましたね。
(俺ってこんなに割舌の悪い英語しゃべってたのか・・・)

Sは大事です。
くれぐれもあなどるなかれ!


こんな音になってしまっているのは、大量の息を吐き出してしまっているから。
何故、大量の息を吐いてしまっているかというと、大きい音を出そうとしていたから。

「子音は強く、母音はささやくように」、というのを誤解するとこうなっちゃうんですねー。鋭く出せば、音量に気を使わなくても、はっきり、くっきり聞こえるのでした。

                     

鋭いSにするためには、空気の通る隙間をできるだけ狭くして、超高音を出さなければなりません。どれくらい高音かというと、私のSが5000KHzだとすると、お手本のSは12000KHzくらい --- 計ったわけではありません。あくまでイメージです。

試行錯誤する中で何回か
「その音です」
と言っていただけたのですが、
口の形を定着させるにはまだまだ工夫と努力が必要です。
がんばりまーす。
(トレーニング中、何回このセリフ言っただろ・・・)

私が試行錯誤する隣で sss! と簡単にお手本を示す先生。
なんでそんなに軽々と出るんですかあああ

尚、同じことは f についても指摘されました。
〜 itselff


「何の音だか分からない」
と失笑されてしまうほど、その f
単なる雑音でした(号泣)。

これも息の量が多すぎるため。



2. 息のスピードが遅い

もう笑うしかない、というくらいに遅かったです。
SとかFとかだけでなく、全体に。
LもMもNも、そして母音も。

「日本語と同じスピードで息を出してますね」
いや、先生、SとかFとか以外の音も「息のスピードが速い」なんて、初耳ですやんー!
え?ちゃんと解説してあるって? あ・・・ほんまや(笑)
強いとは思っていたけど、速かったなんて・・・

言われてから聞くと、お手本の息の速いこと!
それはもう気持ちの良い速さです。
そしてお手本の息が、F1レーシングカーのように目の前を一瞬で走り去るのに対して、自分の息の遅さは亀でした(涙)

school の l や home の m や word の r は強く、そして息が速い。
私はしっかり言おうとして、無駄に語尾を伸ばしているだけでした。

「語尾を強く」というのは、だらだらと伸ばすことではなく、ギュンッ!!と
速い息で駆け抜けること。そうすることで音の繋がりに変化が生まれ、
音と音の繋がりに変化があってこそ聞き取ってもらえるとのこと。

音が変化するのは単音(「開く音」とRとW)だけではありませんでした。
言われないと100年経っても気付かなかったでしょう。
とは言え、「息を速く」なんて言われても、一朝一夕にできるものではありません。
そんな発声なんて、生まれてこのかたやったことないんですから。

「どうやったら息が速くなるんでしょう?」

「息を速く出す。まあ、がんばって。」

先生!冷たいですうぅぅぅ
言いようがないんでしょうけどね(苦笑)

                                          

Sの息のスピードを上げようとしていた時です。
空気の出口を狭くすると、普段よりもっと圧力をかけないと
空気が出て行かないので、かなりお腹に力が入ります。

「これは腹筋がいりますねー」と言うと、
「日本語と全然違う音を出すんだから、これまでに使った
ことのない筋肉が必要になりますよ」とのことでした。
ううう、がんばりまーす!


他の方の体験レポートも、今読むと本当によくわかります。
Rioさんのレポートが何故おすすめなのか、
ちっとも分かってませんでしたあ。

ですから皆さん、自分はできているなんて決して思わないように。
あなたもまずできていませんよ!(笑)
お互いがんばりましょう、うんうん。



3. イントネーションが平坦、リズムもおかしい

自分自身笑ってしまったのは、とある課題文で、お手本の波形と自分の波形がまるまるほとんど同じ。

「同じ形ですね。
ここまで同じになるなんて、ちょっとありませんよ」
と、先生も少し驚かれていたのですが、音を再生したら
メロディが全然違う!
個々の音が発音できていても、「何となく変で、分りにくい英語」、という、
狙って作ったような悪い見本が出来上がっていました。
さすが私は関西人!オチを忘れまへんな!

波形ソフトを使って、お手本と同じ形にならないと悩んでたり、同じ形にしようと努力したりしている、そこのあなた! 無駄ですのですぐにやめましょう。
波形ソフトはそんな風に使うのではありません。
case の s とか、一部だけ取り出して再生したり、子音と母音の長さを比較したり(school の oo と l とか)するのに使うんですよー。

波形だけが同じになっても、何もいいことはありません。
同じ波形を作ってしまった私が言うんですから間違いないです。

さてさて、部分部分では「出来ている」と褒めていただいた箇所もあるのですが、ダメなところはもうガッタガタ(笑)

イントネーションやリズムの重要性はこのサイトのあちこちや、30音DVD、30音練習帳でしつこいくらいに言われていますが、すみません、分かってませんでした。
リズムとイントネーションがあってこそ、文章の意味が分かる。弱く、速く発音されている部分も聞き取れる。

今回よーーーーーーーーーーくわかりました。

極論すれば、
発音練習なんかもっと後でも良くて、まずはイントネーションなんです。
実際の所、早口の英語をマネすると発音なんかすっとんでしまいましたが、それでもリズムとイントネーションをコピーできると、何を言っているのかはっきりとわかりました。不思議だー。

お手本よりも速くしゃべって、the を「だ」って言っちゃってるのに、イントネーションをコピーできた後でお手本を聞きなおすと、
「えっと、普通の速度でしゃべってますね、この人・・・」

 -- ほんの5分前には、速すぎて、何言ってるかわからなかったのに!

                         

たぶん皆さんはまず発音、次に共鳴音が気になって、そこばかり練習していることと思います。それらはもちろん大事な要素ではありますが、そこにだけ固執していると進歩が止まります。完璧には遠いけど、とりあえずカタカナじゃなくなったというくらいでひとまず置いておいて、リズムとイントネーションをものにしましょう。

そうするとちゃんと聞こえるので、そこから個々の発音や共鳴音を、改めて、丁寧に仕上げるのはすぐだと思います。
(でも開く音だけは最初にしっかりとね!)

30音DVDの1枚目はさらっと流して、2枚目を丁寧に、と先生が事あるごとにおっしゃってますが、それは「開く音」をしっかりと、というだけではなかったんですよねー

私も、必死に喋れば喋るほど声が前に出て、日本語っぽくなってしまいましたが、それでダメ出しはありませんでした。「胸〜ノドに響かせると、もっと英語っぽくなりますよ」と軽く指導を受けただけです。そんなことより先にやることがあるってことですよね。

そういうわけで「やさしい音読講座」は素晴らしいページです。
今になってようやくあのページの価値が私にもわかりました。
これからあのページを丁寧にやりたいと思います。


それから、英語リズムのDVDを少し見せていただきました。かなり良さげですね!買わせていただきまーす! (うちの奥さんの許可がいるので、ちょっと待ってください)

皆さんも買いましょうね!(笑)


の発音なんかで悩んでるヒマがあったら、
リズムとイントネーションですよ!

なんて言っても、
それでもどうしても
Rの発音が先に気になるのが日本人の性でしょう(笑) 

なので、ダメ押しでもう一言。
Rの発音は、いい加減で おっけー!

30音DVDにも
「Rは、変化すればいいという、ワリとおおらかな音」とあります。

舌先が下りているとか、
巻いているとか、
アヒル口がやりにくいとか、そんなことはどうだっていいです。

こんなこと言うと先生には叱られてしまうかもしれませんね。
でも、カタカナのラリルレロにさえならなければ、とりあえず先に進んだ方が良いと感じました。そんなことで止まっていてはつまんないです。

それよりもです!
さらにそれよりもです!
そしてそして、そんなことよりもリズムとイントネーションなんです!
本当です、信じてー
Rの発音なんて後でいくらでも修正できます。そこで止まらないこと!

ここまで読んで、自分はそれなりにイントネーションつけて喋ってるもん、
と思ってる人いるでしょ! 

甘いです!
ハチミツに練乳加えたものを煮詰めたくらい甘いです!
口に入れた瞬間に虫歯になるくらい甘いです!

あなたのイントネーションの高低が富士山と海面くらいだとしたら、本物のイントネーションは月と地球です。月から見たら富士山の高さなんて、まったいら!
変化など、ないも同然です。

イントネーションをものにするには、まずは何と言っても強弱、高低、長短を丁寧に聞くこと。つまり英語のリズムです。トレーニング中、発音はさておいて、モゴモゴとつぶやきながらメロディを覚えているのをご覧になって、
「そう、最初はそうやって覚えるのが良いですね」
と言っていただきました。

英語リズムの練習を続けたら、どんどん上達する様子が想像できます!
わくわくしちゃいますね。



4. 口調が暗い

緊張してたんですううぅぅぅぅ
と言いつつも、平坦なイントネーションも口調を暗くする原因。

「こんな口調で come up なんて言われたら、
怖いので、嫌でも行くしかないね。」

かつて出張した時に、私はアメリカ人を脅してたんでしょうか・・・
ニコニコ笑顔で明るく話せるように、がんばりまーす(また言ってるし)


その他

社内で後輩の指導をする、というのがトレーニング希望の理由の1つでしたので、トレーニングも終了間際、あまり時間のない中ででしたが、指導のキモを教えていただきました。

30音のキモと言えば、もちろん「開く音」ですよね!
本当にこの「開く音」というのはパラダイムシフトでした。

 
*Paradigm Shift ある時点で革命的、非連続的に変化する局面。

「BOXとボックスどう違う?」を初めて読んだときの驚きと感動は未だに忘れません。音を変化させることが発音だなんて、全く頭にありませんでしたし、誰も教えてくれませんでした。

巷に溢れる発音教材をざっと眺めてみても、uda式以外に、ここまで明確にこれに言及しているものって他にありません(私が知らないだけ?)音の変化は明らかなのに、未だに「エの口でア」なんて書いてある本を見ます。こんなので練習したら match の a を「ぁ→あ」とか「ぇ→え」なんて発音する人の音は、聞けないんじゃないかと心配になります。

なーんて事をお茶を飲みながらぼーっと考えていたら、 cut の「狭い音」の波打つメロディを「開く音」の音変化と勘違い。
「あごを下げないで!」
と叱られてしまいました。

気を抜くとたまにやっちゃうんですよねー、波打っていても「狭い音」に音の変化はありません。皆さんも気をつけましょう。

                     

で、冒頭で書いた先生から言われた「遠大な目標」なんですが・・・

「関西の発音トレーナーになってください」

ひえーーーーーーーーー!
目標高すぎますがなーーー

が、が、が、がんばり・・・ 言えないっ



帰宅してから・・・

トレーニングを終えて帰宅してからサイトを見直してたんですが・・・
全部説明されてる!
当たり前なんですが、ぜーんぶありました!!

英語の音をちゃんと聴いてないだけでなく、説明もちゃんと読んでませんでしたね。これだけ説明してあるのに、トレーニングに来る人来る人みーんな同じ症状・・・先生もさぞがっかりされていることでしょう。

「やさしい発音講座」 17.イントネーションの怪 から、
皆さんもう一度読んでください!

私も含め、日本人の英語ダメ度はどうやら本当に深刻なようです。関西の30音トレーナーはあまりにも果てしない目標ですが、せめて何かお手伝いできる程度には上達したいと思いました。
がんばるぞー!


最後に

帰りの電車の都合で、最後バタバタさせてしまって申し訳ありません。
3時間と言わず、1週間でも合宿したかったです。
お忙しいところ本当にありがとうございました。

お茶、お菓子を出してくださった奥様もありがとうございました。
魔法の柏餅の力でみるみる上達しますです!
(でもよく考えたら、満開は過ぎたとはいえまだ桜の季節。
 柏餅にはちょっと早いですね(笑))

ワンちゃんとも遊びたかったー

 My ひとこと

バイタリティー溢れる Nakano さんは、きめ細かく、姿勢が一生懸命。しかも明快。
英語のリズムとイントネーションをものにして、社内に限らず、活躍してください!
はるばる関西から、お疲れ様でした。


      

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