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  Q  リスニングが苦手って、英語難聴症候群でしょう?

目 or 耳、どっちかな?

   先日、聾(ろう)学校の先生に会ったらいきなり、
   「目と耳と、どっちが大事だと思いますか?」
   と切り出されました。       

   --- む?   

   ナンのことかと思うでしょう?
   「どっちがとは言えるものではないけど」と、
   聾(ろう)学校の中学生に言葉を教える場合
   のことを話してくれました。

   --- で、どっちなの?

   「フツーは目だと思うでしょう?
   ところがなんですよ!!     
   音が聞こえないと大変なんです」

   と、たたみかけてきて、 
   
   --- タタミ?

   「例えばバカヤロー」。

   --- お、ハゲシーねえ。


   目が見えなくても聞こえる人は、

     大声でどなる場合
     ・親しい人に冗談でいう場合
     ・悔しくて吐き捨てる場合


   などを
   「イントネーションで区別できるので、言葉として定着する。
   もちろん、だから、使えるわけです」。

   反対に、目が見えても聞こえない人には、
   「バ、カ、ヤ、ロー」はただの4つの音。

   --- ふむふむ。

   そういう人に言葉を教えるのは大変なことで、
   「辞書を使っても、音がないのでニュアンスがつかめない。
   どういう場合に、どう使うかもつかめない。
   聞こえればカンタンなことなのに、ねぇ」。

   --- そ、そうですか・・・

   ええ。
   そこで私がうなずくと、

   「そうですよ。
   だから聴覚障害があると言葉を覚えにくいし、
   読解力も向上しにくい」。
   
   --- ちょっとカンジっぽくなってきたねぇ。

   実にまさしくその通りで、話が進むと、

   「聴覚が正常な場合、言語習得は雑音、雑学を通じて80%が
   行われる」と漢字だらけになりました。

   --- 雑音は分かるけど、雑学って?

   雑学とは「学校の勉強以外のことで、耳に入ってくる全ての情報」。

   --- ホォ、たとえば?

   どこでも周りに人がいれば、直接会話をしていなくても他人の
   話し声は聞こえるじゃないですか。意識して聞いていなくても。

   --- 確かに。

   耳が聞こえれば、
   「雑踏の中でも、無意識に言語習得をしている」そうです。
   テレビの音声も、ですって。

   --- そうだろねぇ。
   子供はいつの間にかどこかで悪い言葉を覚えてくる。

   大人も同じでしょう。
   「いや、ちょっと忙しかったもので・・・」とか
   「いつもお世話になります」などは本で覚えるものじゃあない。

   そんなこんなが「言葉を覚える大きな要素」だそうです。

   --- な〜るほど。


   学習しただけでは言語にはならない、と断言していました。

   --- ギョッ!!

   「辞書を考えればわかるでしょ?
   単語が集まっても言語にはならない」がダメ押し。

   そのほか、
   シトシト、ポタポタ、ピューピューなどの擬態語、擬音語は
   「聴力障害があると理解できない」そうです。

   --- そうだったのか。やっぱり音か。
     
   「聞こえないと身につかない、当然でしょう?」ですって。
   
   --- うーん、そうかも知れない。

   そこでおそるおそる、「あのぉ、英語も同じようですが」と
   言いかけたのですが、「あ、時間だ。じゃ、また。よろしく〜」
   でした。

   --- ・・・



  

    ・言葉は音でニュアンスをとらえ、定着する。       

    ・学習だけでは(使える)言語にはならない。

            
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