Topline
私のアメリカ体験記
 >TOP >私のアメリカ体験記




渡米直後は ELS という英会話の学校に入りました。
アメリカに「語学留学」というと聞こえはいいのですが、中身はおそまつでした。  
                                
クラスは10段階に分かれていて、会話ができない私は下から番目のクラスに入学。
テキストのレベルは英検の 4〜5級でした。                              

クラスメートは 8〜9人。
大半はスペイン語を話す南米系で、あとはインド人の男性とエチオピアから来た女の
子が一人。アメリカ人は先生だけ。                     
 
「実は、ここはメキシコです」と言われたら、
そう思い込んでも不思議ではないほど、
日本で描いていた「アメリカ」のイメージとはかけ離れた「アメリカ」にいました。  


授業はフリートークが中心で、私はほとんどいつも傍観者。
何を言えばいいのか分からなかったり、言いたいことが文にならなかったり、運良く
たまに文にまとまったとしても、話は次々と展開していて間に合わなかったのです。  


     

何かを言おうとして口ごもっていると、  
英語を話すときに、間違いを恐れるな」とアドバイスされました。
おろかであったとはいえ、私も異国で暮らす決意をした男です。
そのくらいの心構えはできていました。
恥や外聞に振り回されていたのではありません。         

間違えても、何かが言えれば上出来で、何をどう言えばいいのか、
頭の中に何も浮かんでこない。それがいつも大問題だったのです。  

"How to speak English" それを教えて、と頼むと、
"Study hard." (一生懸命勉強しなさい)

「どうしたらアメリカ人のあなたのように発音できるのか」
とたずねても、返ってくるのは                   

"Listen carefully." (よく聞きなさい)
"It takes time." 
(時間がかかります)
 
などのつれない返事。
結局、他人を当てにできないことをしっかりと学びました。    

LL を使ったパターンプラクティスも時々あったのですが、
聞き取れず、口が回らず、目で英文を追うのが精一杯。
ほとんど役に立ちませんでした。    


進級テストは週間ごとに行われ、
私の成績は筆記テストではいつもトップ。 
オーラルテストはいつも最下位。 

どうして筆記テストができるのに話せないのか?」 
とよくたずねられました。
先生もクラスメートも、よほど不思議だったのでしょう。
しかし、その答を一番知りたかったのは、
当の私自身に他なりません。   

※ 筆記テストは基本レベルの文法問題でした。

line616
<<前へ                                 >>次へ
line616
                                    ページのトップへ   
b
 Copyright (C) 2009 Yutaka UDA. All rights reserved. 著作物の無断掲載、転載を禁じます。