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![](pic-USlife/6-menu.gif)
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渡米直後は ELS という英会話の学校に入りました。
アメリカに「語学留学」というと聞こえはいいのですが、中身はおそまつでした。
クラスは10段階に分かれていて、会話ができない私は下から2番目のクラスに入学。
テキストのレベルは英検の 4〜5級でした。
クラスメートは 8〜9人。
大半はスペイン語を話す南米系で、あとはインド人の男性とエチオピアから来た女の
子が一人。アメリカ人は先生だけ。
「実は、ここはメキシコです」と言われたら、
そう思い込んでも不思議ではないほど、
日本で描いていた「アメリカ」のイメージとはかけ離れた「アメリカ」にいました。
授業はフリートークが中心で、私はほとんどいつも傍観者。
何を言えばいいのか分からなかったり、言いたいことが文にならなかったり、運良く
たまに文にまとまったとしても、話は次々と展開していて間に合わなかったのです。
![](pic-USlife/6-talk.gif)
何かを言おうとして口ごもっていると、
「英語を話すときに、間違いを恐れるな」とアドバイスされました。
おろかであったとはいえ、私も異国で暮らす決意をした男です。
そのくらいの心構えはできていました。
恥や外聞に振り回されていたのではありません。
間違えても、何かが言えれば上出来で、何をどう言えばいいのか、
頭の中に何も浮かんでこない。それがいつも大問題だったのです。
"How
to speak English" それを教えて、と頼むと、
"Study hard." (一生懸命勉強しなさい)
「どうしたらアメリカ人のあなたのように発音できるのか」
とたずねても、返ってくるのは
"Listen carefully." (よく聞きなさい)
"It takes time." (時間がかかります)
などのつれない返事。
結局、他人を当てにできないことをしっかりと学びました。
LL を使ったパターンプラクティスも時々あったのですが、
聞き取れず、口が回らず、目で英文を追うのが精一杯。
ほとんど役に立ちませんでした。 ![](pic-USlife/6-test.gif)
進級テストは2週間ごとに行われ、
私の成績は筆記テストではいつもトップ。
オーラルテストはいつも最下位。
「どうして筆記テストができるのに話せないのか?」
とよくたずねられました。
先生もクラスメートも、よほど不思議だったのでしょう。
しかし、その答を一番知りたかったのは、
当の私自身に他なりません。
※ 筆記テストは基本レベルの文法問題でした。
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