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● 壁の向こうにまた壁 |
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ふと、気づいてはつまずく。
浮かれては落ち込む。
「栄光と敗残、波瀾万丈、我が青春のシンボル」、なんてことを、
ふられるたびに口にしていた知人がいましたが、
浮き沈みの激しさは私も同じようなものでした。
沈んだときには「四面楚歌」「兵どもが夢の跡」などの
高校時代には大嫌いだった漢詩や古典が断片的に思い出されて、
「しみじみした気分」をかみしめたものです。
少しはわかりかけた発音ですが、壁はまだまだありました。
アメリカ人の言う "The Beatles" は「ダ・ビィローズ」と聞こえ、
「ローズ」のところはもやもやして、同じようには言えません。
辞書には発音記号の説明が載っていましたが、どこか違うのです。
突破口が開けたか、と思ったアメリカ人の発音の仕組みは
謎を残したまま、毎日が過ぎてゆきました。
● 目標は「長く」 |
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とりあえず、「正しい文」にこだわることは止めました。
暗記した文以外のことを言おうとすると、しどろもどろ。
そして支離滅裂になり、相手にされなくなる。
やっと言えても理解はして貰えない。
そんな体験をさんざん味わった結果です。
発音は「時間をかけて、追い追いに」とやや後退。
目標を「いかに話し相手と長く話し続けるか」に変えました。
水が「ウオーター」では通じないが、
ウエイトレスのまねをして「ゥわラ」と言うと通じる。
単語だけでも通じれば水は飲める。
つなげるところはつなげる。
聞こえたようにまねをする。
カタカナ発音を捨てる。
少しずつ、私なりの原則が形になりつつありました。
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