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私のアメリカ体験記
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 壁の向こうにまた壁 420

ふと、気づいてはつまずく。
浮かれては落ち込む。

「栄光と敗残、波瀾万丈、我が青春のシンボル」、なんてことを、
ふられるたびに口にしていた知人がいましたが、
浮き沈みの激しさは私も同じようなものでした。     

沈んだときには「四面楚歌」「兵どもが夢の跡」などの
高校時代には大嫌いだった漢詩や古典が断片的に思い出されて、
「しみじみした気分」をかみしめたものです。  

少しはわかりかけた発音ですが、壁はまだまだありました。
アメリカ人の言う
"The Beatles" は「ダ・ビィローズ」と聞こえ、
ローズ」のところはもやもやして、同じようには言えません。
辞書には発音記号の説明が載っていましたが、どこか違うのです。 

突破口が開けたか、と思ったアメリカ人の発音の仕組みは
謎を残したまま、毎日が過ぎてゆきました。     






 目標は「長く」 420

とりあえず、「正しい文」にこだわることは止めました。
暗記した文以外のことを言おうとすると、しどろもどろ。
そして支離滅裂になり、相手にされなくなる。
やっと言えても理解はして貰えない。
そんな体験をさんざん味わった結果です。
                     
発音は「時間をかけて、追い追いに」とやや後退。
目標を「いかに話し相手と長く話し続けるか」に変えました。

水が「ウオーター」では通じないが、
ウエイトレスのまねをして「ゥわラ」と言うと通じる。
単語だけでも通じれば水は飲める。
つなげるところはつなげる。
聞こえたようにまねをする。
カタカナ発音を捨てる。

少しずつ、私なりの原則が形になりつつありました。

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