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 #88
Wak さんの場合  TOEIC 840 (CASEC換算)

「当方現在アメリカにおりまして,12月に10日程度,仕事で一時帰国することが最近決まりましたので,その時に発音トレーニングを是非受けたいと思っております。

・要望
仕事上,新しい考え方を相手に伝える必要があり,その際の障害となる”言語不自由”を何とかしたい。喋る文の方は別口で勉強しているので,それとは別に発音が悪くて伝わらない,聞く気にならないというのを無くしたい。

(現状ではしばしば通じていない) 聞き取れないで困っているのは,どうやら自分で発声できるようになれば自動的に解決するらしいので,困ってはいるが今回の目標としては副次的な物。聞き分けが出来ない音で自覚があるのは,BとV,LとR。

30音DVDはあります。
しばらくやりましたが,英語の音声変化は何度聞いても聞き取れるようにならなかったです。
多分,これがアメリカ人の喋りがわからないがフランス人の喋りはわかる,というのに対応
するのだと思っています。」


  ということでトレーニングとなりました。


 30音トレーニング 体験レポート

1年の予定でアメリカに出張中で,8ヶ月程度既に経った所。

論文の読み書きはする物の,元々英語は嫌いなので,もちろん得意でもなかった。出発前に発音の本(30音ではない別の本)を一冊買ってきて,出現頻度が明らかに高いであろうthとsとshの区別だけでもつけようとした。

これは,当時やっていた音読に組み込むことで充分な回数の反復練習を積み,考える前に口を動かすことが出来るようになった(代わりに,聞いた音は真似しなくなった----まあ,元々大して真似てなかったわけだが)。つまり,反復練習することで,何らかの進歩は過去にあった。その後,アメリカから30音のWebサイトを発見。DVDも買って,仕事で一時帰国するのに合わせてトレーニングをお願いした。

トレーニングを申し込むと,課題文とお手本が送られてきて,"イントネーションも含めて全部真似して下さい"との連絡が入った。

さて,当日。課題文のチェック。お手本を聞き直すこともなく,印刷された課題文を見せられて,"ではまず課題文を読んで下さい"と録音が始まった。In that case, you shouldn't beat his dog. はどこかで 3通りくらいの読みを見たので,どれだか判らなくなって適当に読んだ。

判定は,要するに皆さんと同じ。
子音が弱く,lやmが弱く短く,イントネーションが平坦。

どの位練習したかと問われ,”沢山。アイロンがけしながらMP3 playerでループを回して,合計すれば数時間から数十時間,読み上げた”と答えた所,”それは良くない,ちゃんと聞かずに反復練習すると,変な読みを定着させるだけになってしまう”という指摘を頂いた。

これも多分,過去の誰かのレポートに書かれている指摘だろう。この指摘の意味する所は,”ちゃんと聞いて反復練習すれば正しい読みを定着させられる”という事であるから,聞き方を習えば良いと解釈した。

習って,習いっぱなしで練習しなければ,身には付かない。
事実,この後習った部分については,”あとは修行して下さい”とか,”これが聞けないのは修行が足らないから”というような話が何度か出てきた。

個々の指導内容について書いても仕方がない上に,誰かの繰り返しになるので割愛。
個別の音として発音が出来ていない音の指導が先,文全体のイントネーションの説明や,子音と母音の大きさの関係などが後,と,部分から全体への順番の説明であった。


個別の音の発音チェック
お手本を真似して読み上げた物を波形分析ソフトに入れて,単語より短い単位でぶつ切りにしてお手本と比較する。単語単位になると,もう”知っているつもり”の発音と自分の発音を比較してしまうので,意味をなさない音として比較するのが重要。


文全体のイントネーションのチェック
違うと意味が取れなくなる,という点と,全然まともに発音していなくても,イントネーションと前後のつながりだけで通じてしまう例を見て,発音よりイントネーションの方が重要である(事もある)事を理解して,直そうという意欲を湧かせた。

技術的には,音の大小と高低の区別が付いていなかったので,そこを確認。基本的に,音が大きい所は高い音にもなる,という話。個別の音より,こちらの方が”やればできるでしょ”という感じの説明だった感じがする。思想の説明に終始した感じというべきか。


トレーニングの効果
トレーニング前後の発音が全然違う音声ファイルがあるので,トレーニングを受けたらすぐにがらっと変わると思っている人もいるかもしれない。そのレベルの即効性がある人もいるのかもしれないが,少なくとも私は5時間で変われるほど器用ではない。

実際にアメリカ人と喋ったら,トレーニング前と後でほとんど変化はないだろう。喋る内容を考える方に脳みそを使ってしまうので,新しく習った発音の仕方を反映させながら喋るのはほとんど不可能だ(知っている事を一方的に喋るのであれば,脳みそをしゃべり方の改善に使えるので,最初から効果があるだろう。その意味で,課題文の読みを練習して改善する,というのはもちろんその場で直る)。

発音やイントネーションを身体に染みつけてしまえば,しゃべり方に脳みそを使わなくなるので,通常の会話にも効果が出るはず。染みつける所は反復練習するしかなく,その練習の方向性を修正するためには,このトレーニングは絶大な効果があると思える(1ヶ月〜2ヶ月経たないと判らないけど)。

例えば,"突き出す形"の口の形が正しいかどうか,自信を持って自己判断できる人はあまり居ないのではないかと想像する(意外とちょっとしか突き出さないでOKだった)。出来ているなら,そこは悩まなくて済むわけで,どこかおかしい,という時の原因の検討から除外できる。また,"OKのつもり"で実はダメな所がわかるのも重要である。


効果的なトレーニングを受けられる条件
英語力は無関係。課題文の意味がわかる必要すらないと思える。要するに音を再現する事を目的としているので,テープレコーダーがトレーニングを受ければ一発で完璧となる。もちろん,テープレコーダーは意味を理解していないが,それはこのトレーニングには関係ない。

むしろ,中学で習った単語ほど変な発音が染みついていて抜けないので,英語を習う前にやった方がよいと思う(小学生ならトレーニングを受けないでもDVDを繰り返し見て真似できるのかもしれないが,もはや小学生ではないので知らない)。

一方,課題文を自分の限界まで再現しようとする努力を惜しむ人は,DVDを見るのと同じ程度にしか得る物がないだろう。理由は,最初に録音した課題文がお手本から外れている所を修正する,という形でトレーニングが進行するため,全部ダメな状態だと,DVDと同じ,一般論としての説明に時間を費やす事になるはずだから。


食事中など,自分の右側に座っているアメリカ人と左側に座っているアメリカ人が,私の耳ではものすごく小さくしか聞こえない声で普通に会話している事が頻繁にある。多分,子音を日本語フィルタで捨てて聞いているからそうなるのだろうと思ってはいた。今後,これが聞こえるようになるのか楽しみである。


 My ひとこと
Wak さんの英語が「しばしば通じていない」主な理由は「開く音」と弱すぎる語尾。この修正は比較的に容易。

聞き取れないで困っているのは,どうやら自分で発声できるようになれば自動的に解決する」というのは誤解。アメリカ人の、普通のくだけた発音を聞き取れるようにするためには、それなりの修行が必要。読解力があれば、スピードを上げることで大きく改善できます。
      

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