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  基本が大切(3) --  it

 it 英単語の中では最も基本的なもの。見たとおりシンプル至極。
 古期英語では hit。いつの間にか、h がなくなり、it になった。

 だから簡単か、と言うとそうでもない。
 意味や用法は多様。音にもバリエーションがあり、初心者やカタカナ発音
 の人には「まったく聞こえない」という場合はいくらでもある。

            *   *   *

 ここではリスニングがテーマですから、音にポイントを絞ります。

 Q: なぜ it が聞こえないのでしょう? 

 A: 「イット」ではないから。

 Q: そうか、分かった。「イットゥ」だ!

 A: ・・・ <一瞬、絶句。気を取り直して>
   ま、気を静めて、

 Q: む、沈める?

 A: ・・・ <めげずに>
   「イット」と it を比べてみましょう。

 Q: そうしよう!

            *   *   *

 A: 「イット」は it よりも長く、it は「イット」よりも短い。

 Q: 当たり前でしょう。

 A: そのスピードが問題なのです。
   「イット」のスピード感で it を期待していると、まぁ、
   聞き取れないでしょう。

 Q: そうだったのか・・・

 A: それぞれの音も少なからず異なります。

 Q: えッ。
   it と「イット」の発音は違うの?

 A: 日本語から見れば、よく似ていると思いますが、
   英語としては別の音です。

 Q: 同じように聞こえるけどねぇ。

 A: iti は「エ」に近い感じの音。
   これがやっかいになるのは、前の単語にくっついて
   発音されるから。つまり、「イ」のように、単独の音で
   聞こえることはまれです(語頭を除く)。

   次の赤文字の下線部だけを発音すれば分かるでしょう。

   Watch it.  Push it.  Get it.

 Q: なるほど。

 A: 次に t。これは弱くて聞こえなかったり、d で発音されたり、
    ビミョーなところがあるので、知らないと聞こえない音の代表です。 
    
 Q: ややこしくて、よく分からない・・・

 A: では、聞いてみましょう。


  ここを聞き取る!

   次の2点に注意して it を聞いてください。

  .「イット」よりも速い。
  .前の単語につながっている( it だけを聞こうとしないこと)。

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  音声(1) Oh, I changed it. You changed it. Why? 

   Oh, I changed it. -- "d it" に耳を傾けると聞き取りやすくなる。

   You changed it.  -- このd, t は舌先を軽くつけるだけ。しかも直ぐに why
                につながるので、とても聞き取りにくい。 "d it" のスピー
                ド感、軽さを確認すればOK。

このような it になじみがないと、何度聞いても聞き取れないことが多い。
    But 「こういうものだ」、として聞き慣れると、それなりに聞こえてくる。

    9.聞き取れない音の正体(2) を復習し、実感してください。

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  音声(2)  Oh, let me take it back and figure it out for you.

   ※色文字のt, dは非常に軽く、かすかに聞こえるだけ。

   Oh, let me -- t は軽く発音されているが、ほとんど lemme の感じ。
   take it back  -- it の t は、この人にしては、強く発音されている。
   and figure it out for you. -- "figure it out" の言い方として覚えた方が早い。

  音声(2-2)  take it back  /  figure it out
  
   これはフレーズに区切り、ややスピードを落としたもの。
   ポイントを確認してください。

 
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 今回の最後は t を軽い dで発音する例です。

  音声(3) It's OK. It's, it's like a vendetta now.
           (大丈夫。これはもう復讐みたいなモンだ)
 
   vendetta はイタリア語で「報復」だそうです。
   d t をまったく同じ音で発音しています。前回の Ditto. を
   もう一度聞いて、休憩しましょう。
           ↓
  Q2 Molly: I really love you.
     
Sam: Ditto.


                            もくじ
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