

英語のスペルほど不規則でやっかいなモノはない、とよくいわれますが、誤解です。
実は80パーセント以上が規則的になっています。
ここではすぐに役立つ規則をご紹介します。
Q 母音を表す文字は a e i o u の5つだけ。
でも、英語の母音は10種類以上もあります。
あなたは、それらをどう書き表しますか? |
■ 語尾の e は何だろう?
tape tap
上の2つの語を比べて、e
の役目を考えてみましょう。
e が あるか・ないかで a の発音が違いますね。
--- そんなこと、ジョーシキでしょう。
そうですね。
で、その役目です。
--- えらそうだねぇ。
はい。e はえらいのです。
e のおかげでa が2通りの発音を表せるようになりました。
そこがひらがなにはない工夫です。
--- 後ろに発音しない e
をつけて
同じ文字が2通りの発音を表せるなんて、シャレてるねぇ。
ともかく、これで
「発音しない e があったら、前の母音を アルファベット通りに発音すればいい」
という 決まりができあがりました。
■
発音しない文字を黙字(もくじ)といいますが、黙字は飾りではなく、
立派なお役目を果たしています。
どうせ発音しないのだから、別に単語の最後でなくてもいいではないか。
じゃあ、ちょっと、前に移動してみよう。
ひょっとしたら、そんな考えで
meet
seet
などのスペルが作られたのかも知れません。
6世紀頃のことですから、あまり定かではありませんが。
ee と母音が連続しています。後ろの e は黙字。
だから、前の母音をアルファベット通りに発音すればいいわけですね。
上で決めましたから。
--- だから何だい?
え〜と、どうせ黙字は発音しないので、e は別のものに置き換えてみよう。
いつも同じでは退屈だから。かどうかも定かではありませんが、まぁ、変えてみたわけです。
meat
seat
すると、どうです。同じ発音で、別の単語も書き表せるではありませんか。
目で見てしっかり区別できます。
--- そうかも知れない。
「お、こりゃいける」、と思うじゃありませんか。
すると、ノッテくるのが人情というもの。
次々に工夫を凝らすものです。
rain boat
後ろの母音は発音しない合図の文字だから、これもいいだろう、と
i や a
も活用してみました。
母音だけでは味気ないから、g などの読みにくい文字も使ってしまおう。
sign night
--- お、後ろを子音に変えたな!
はい。ごく少数ですけどね。そんなこともやってみたのです。
まだいろいろありますが、ひとまずここでまとめておきましょう。
--- まとめってなんだい?
はぁ、シンプルな原則です。
まとめておけば私も忘れないでしょうから。
--- ・・・
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●母音が連続していたら
前の母音だけを アルファベット読みする。
meet meat
rain boat
※ 後ろの母音を発音するのは、わずかな例外だけ。
you beautiful great soup piece
どの母音を発音しているか、に注目!!
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■ 子音が連続したら?
今度は子音が2つ並んだ場合です。
--- 子音の連続だな。
まあそうです。
子音が2つ並んだら、前の母音を短く発音しろと決めてみました。
--- 勝手に?
はい。日本語のはねる音、「っ」のようなものです。
--- じゃ いいだろ。
apple back
ですから、後ろの子音が黙字。前の母音を短く発音することを表しています。
と、こんな風にしたので、スペルは覚えやすく、しかも、
アルファベット26文字ですべての単語を書けるようになりました。
--- なるほど。
ちょっと待った。
appleの最後は e だぜ?
鋭いですね。
--- 見ればわかる。
えー、それは2つのpを優先し、aを短く発音します。
それと、appl と子音が3つ並ぶと、見た目が悪いですからね。
そこで子音が3つ並んだ場合には、最後に e をつけることにしました。
bottle castle のように。
--- 勝手に?
はい。
子音の連続は簡単ですから、まとめにします。
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● 同じような子音が連続していたら
直前の母音を短く発音する。
apple (p が連続しているので a を短く発音する)
approach, application, appreciate
April (p が1つなので
a をアルファベット読みする)
ape, apron, apricot
※ apricot の a は短く発音することもある。 |
■ こう活用する ■
「アプリケーション」と聞こえたら、
「ア」と短いので、次の p は2つ重ねる。
application
「エイプリカット」と聞こえたら、
「エイ」とアルファベット読みをしているので次の p は1つだけ。
apricot
※この要領でスペルの原則を活用すると、とても役に立ちます。
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※ 上記は私がアメリカ留学中に発見した規則です。
この規則を活用すると、スペルの丸暗記から解放されます。
知らない単語の読み方の見当をつけたり、
知らない単語を聞いて、書く場合に
母音が長いか、短いか を
ちょっと考えればいいからです。
そのためには、まず、英語が聞き取れなくては。
聞き取るためには、正しい発音を知らなくては・・・
やはり、発音が原点、と、なるではありませんか。
だから発音、やはり発音。
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スペルも、発音も、文法も
「大多数の原則と、少しの原則外」を1セットとして考えると、整理がつきます。
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