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発音とリスニング上達の秘訣
今回はちょっと脱線して、
私のリスニング上達のきっかけとなった「だまし絵」を紹介します。
リスニングと画像。あまり関係がないようですが、「認識」という点では共通しているのです。
下の、一見普通の宣伝写真は、いずれも普通に見ていると気づかないように、
不気味な細工が施こされています。
それらが見えますか?
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1.ウィスキーのCM |
2.タバコのCM |
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当時、参考にした1冊:
Subliminal Seduction
Ad Media's Manipulation of a Not So
Innocent America
Simon & Schuster (1973/09/01)
(Paperback, 1987)
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運良く、この「だまし絵」に遭遇したのは留学して3年目のこと。
たまたま、課題のレポートで「CMの作り方」というテーマを選んだことがきっかけでした。
当時の、主要な雑誌に掲載されるCM写真はサブリミナル(深層心理)効果をねらって作
られていました。無意識である深層心理に訴え、購買意欲をそそる、というねらいです。
そのテクニックは、
意識に知覚されないように、目につかないようなところに刺激的な細工を施す、というもの。
イメージを拡大して、細工を見つけてください。
初めはなかなか認識できないのですが、一度気づき、見えるようになると、目につきすぎ
て困るほど刺激的です。

私の場合、購買意欲に関しては効果はありませんでした。
しかし、自分の目が正しくものを見て、耳も正しく聞いているという錯覚を取り除く効果は
ありました。
当時、アメリカでの大学生活も3年目に入り、英語はコミュニケーションに支障ない程度
に聞こえていました。しかし、前置詞や冠詞など、細かいところは聞こえないもの。
文脈やイディオム、文法で補うものと思いこんでいました。
CM写真の作り方を知り、実例を見ていると、それまで見えなかったものが見えてくる。
それでようやく気づいたのです。
「英語が聞き取れない」は錯覚。
耳はしっかり聞いているが、意識が認識しないだけ。
何と言っているのか分からないので、「聞こえない」と思いこんでしまう。
では、どうしたらいいのか?

答えは簡単。
相手の音を聞く。
私は相手の音を聞いているつもりでいたのですが、アメリカ生活に慣れるにつれて、
ついつい自分の音で聞くようになっていたようです。
自分の中に正しい英語の音がない場合には、照合するものがないので「聞き取れない」
となり、推理推測で処理せざるを得なかった、というワケです。
ここまでくると、相手の口を見て、音を聞けばいい、という解決策は明白になってきます。
聞こえるままに受け入れればいいからです。 |
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