30 On Training Reports


  #9
KTさんの場合  TOEIC 955
  

 「英検は1991年に1級を取得。
 TOEICは今年の7月に 955 (L480 R475)。
 ただし、やはりリスニングが苦手です。

 英語圏はアメリカ南部に計10日くらい。会議で英語のプレゼン
 テーションをしました。その時は自分の英語はよく通じたし、相
 手の言うこともよく分かったと思っています。

 今後はTOEICは990を目指し、英検にも再挑戦します。
 英検1級をほぼ満点で受かる人はきっと実力者だろうと思います。

 将来発音を教えたいとも思っているので、教え方について
 もアドバイスをお願いします。」

 ということでトレーニングとなりました。



 30音トレーニング 体験レポート

         発音トレーニング 体験レポート

    受講日:2002年12月21日(土)
    場 所:南房総のUda邸 東京駅から特急で約1時間半

    非常に密度の濃い指導で感動しました。Uda氏は一見
    ただのオジサンのようでいて、実は噂にたがわぬ一流
    の発音トレーナーだと感じました。


■私の英語歴

 中学、高校時代:英語は得意科目。NHKの講座やFENを聞き、
            音読と多読を中心に学習。
           (高2の夏休みには毎日平均8時間以上も音読をしていました)

 大 学: 某カトリック系私大の英語学科。
 卒業後: 実務翻訳(IT分野中心)を手掛けて20年弱。

 発 音: 日本人としては比較的良い方だと自分では思っています。
 資 格・検定: 英検1級、TOEIC 955


■トレーニング受講の目的

 主としてリスニング力向上のため。
 多くの人に話を聞いたり、英語学習関連のホームページを覗いた
 りした結果、完璧なリスニングには完璧な発音が必要であると多
 くの方々が語っていました。確かにそうかも知れないと思いました。

 UdaさんのHPについて知ったのは今年(H14)の前半で、Space
 ALC → 松澤喜好氏HP を経てたどり着きました。
 書かれていることはどれも実践的かつ新鮮でした。

 その後「30音でマスターする英語」も購入し細々と練習を開始しま
 した。しかし、細かな点、例えば共鳴音が正しく出ているかどうか
 などは自分では分かりにくいものです。

 DVDだともう少し分かり易いとのことでしたが、まず先に直接トレ
 ーニングを受けた方が今後の方針を立てる上でも好都合かと考
 えました。


■トレーニング開始

1.課題文の録音と波形の比較

 まず予想どおり、9つの課題文をマイクに向かって吹き込みました。
 かなり緊張して声が上ずりました。

 その後で、模範(Amyさん)の波形と私の波形を比較しました。
 違いは一目瞭然でした。

 個々の問題点の指摘と矯正トレーニングをした後も、波形を比べ
 て成果を確認しました。波形を使うのは客観的な評価ができるし
 非常に分かりやすいのでいい方法だと思います。

2.問題点の指摘と矯正トレーニング

 基本的には他の人が体験レポートに書いているのとほぼ同じこ
 とを指摘されました。指摘された点をすべて挙げると長くなるので、
 主な点だけを書きます。

(1) イントネーションと強弱リズム

 自分の弱点は自分では分かりにくいのでしょう。
 強弱のリズムやイントネーションはほぼOKだと思っていました。
 しかし、
 個々の発音はだいたいOKだが、むしろリズムとイントネーション
 の方が問題だとのことでした。

 例: In that case you shouldn't beat his dog.

 (a) "case" "you" 'dog"など、1つ1つの語にもイントネーションが
   ある。
   それを正確に真似るのは至難の技だと感じました。

 (b) 自分では"In that case"の"that"を強く発音しているつもりな
   のに、少しも強くなっていないという指摘。そんなはずはない
   と思うのですが、波形を見ると確かに、団子状のものが3つ並
   んでいました。
   お手本である Amy さんの波形が鋭くとがっているのとは対照
   的でした。「力む」のと「強く発音する」のとは違うのですね。

(2) 共鳴音

 のどの共鳴音はOKだが、ドーム状と鼻の共鳴音は不十分でした。
 ドーム状は結局うまく出ないままで、鼻音は意識すると出せる程
 度にとどまりました。

(3) 開く音

 ときどきアゴの下げ方が不十分なことがありました。
 単語レベルで気をつけて発音するとできるが、文レベルでしかも
 他のことに気を取られているとうまくいかないことがありました。

3.映画を使った練習

 他の人の体験レポートにもありましたが、私も映画の中の1文を
 使った練習を少しだけしました。

 Udaさんから1秒で言えるように練習しなさいと言われて、5分くら
 い練習しました。普段なら3秒程度かかりそうな文を1秒で言うの
 は大変でした。

 その後で同じセリフを再度聞くと今度は超スローモーションのよう
 に感じました。実際のセリフは2秒くらいで言っていたようです。

 認識力を高めるためにこういう練習も有効だそうです。
 ただし、強弱リズムとイントネーションはしっかり保つことが必要で
 す。帰宅後さっそくNHKビジネス英会話のビニエットを使ってこの
 練習をしましたが、効果はてきめんでした。

■トレーニングの成果

 Udaさんが一所懸命指導してくださるのに、私はなかなか進歩し
 なくて
、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。残念ながらトレーニ
 ング開始時と比べて格段に進歩したという実感はありませんでし
 た。

 もともと器用な方ではなく、新しいことを身に付けるときには他人
 の何倍もかかるのが常だったのであまり気にしていません。それ
 どころか自分の弱点がはっきりし、どういうトレーニングをすれば
 いいかがほぼ理解できたので、大満足でした。

 「アメリカ人になりすましてアメリカ人に電話をかけて、5分程度話
 してもこちらが日本人であることが相手にバレない」という目標が
 1年以内に達成できそうな予感がします。


■ 質問

  私: 現在Uda塾で教えられていますが、全国展開はお考えで
     すか。今後の抱負をお聞かせください。

 Uda: DVDの修正が済んだら東京で定期的に講習会を開くこと
     を考えています。

  私: ぜひそうしてください。

 *** まぼろしの質問
 「将来NHKから講師を依頼されたら引き受けますか。」
 と聞こうとして息を呑んでしまった私。もし、聞いていたらどんな
 答えが返ったのでしょうか。

■ 終わりに

 日本人にとって英語の発音を独習することがいかに困難かを痛
 感しました。単に通じるレベルまでならば十分に独習が可能かも
 知れません。
 しかし、そこから一歩進んでネイティブのレベルに近づけるとなる
 と抜群の才能を持つ人でないかぎり独習は不可能だと思います。

 私自身も高校時代または大学時代にこのような発音の手ほどき
 が得られたならば、全く違う人生になったかも知れません。Udaさ
 んのような発音トレーナーは貴重な存在だと思います。

 今後日本人の英語力を全体的に高めるためにも、多数の発音
 トレーナーが必要であり、発音トレーナーが脚光を浴びる日が
 遠からず(たぶん10年以内に)来ることを信じています。

 My ひとこと

  KTさんは修行と実績が物語るように、発音はほとんどOK。
  「開く音」は改善の余地あり、といったところ。ところがイントネ
  ーションとなるとクールな口調で淡々としている。つまり平坦。
  そこさえ改善すれば、と始めたのですが、どうしても過去の
  ”修行調”に戻ってしまう。

  それがKTさんが述べている
  「私はなかなか進歩しなくて」という意味です。

  お手本を聞き、イントネーションを覚え、再現する。
  くり返すうちに、徐々にお手本から離れ、自分流に戻ってしま
  う。その違いは微妙なので、録音しても本人は気づかない。
  しかし、どこか変だということはよく分かる、というやっかいな
  ところがあります。
    
  今回はこの点の修正に時間をたっぷり使いました。

  それでも、数時間で長年のクセに気づき、自分で改善できる
  ようになるのですから、「ワリに簡単」といっていいでしょう。
  後はその応用になるからです。

  ※「日本人にとって英語の発音を独習することがいかに困難か」、
  それはまず「30音DVD」をご利用になってみてください。
  発音の独習は可能であることがお分かりになるでしょう。

  独習が難しいのはイントネーションです。

  ※「30音DVD」は将来、発音を教える場合にも役立ちます。

      
  
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