30 On Training Reports


 #66
ちえさんの場合
  
  ちえさんは、約1年前に渡米。
  「UCLAのESLのクラスで "Pronunciation improvement" の授業を受講したり、
  興味のある分野の翻訳を学びました」

  「聞きとれないこと、話せないことが、長年のコンプレックスです。

  現在は米国で暮らしておりますが、日常生活の簡単な会話でも、なかなか自分の
  発音を相手にわかってもらえず怪訝な顔をされることがしばしば。
  もういったい英語を勉強して何年になるのだろう…と、悔しさや悲しさを通り越し、
  なさけない気持ちでいっぱいになります。

  ただ、今のまま”出来ない自分”でいるのはやはり悔しい。
  自分の発音の弱点を知り、発音改善(=リスニング力の改善)の
  コツをつかみたいと思っております。

  米国に戻り、自己学習する際の指針となればと思っております」    

 
  ということでトレーニングとなりました。

 30音トレーニング 体験レポート

背景

大学時代に留学経験があり、また社会人となってからも英語
を使う機会が多いのですが、リスニングに弱いことと、自分の
発音が通じないことが常につきまとうコンプレックスでした。

現在はアメリカに住んでいますが、
一時帰国中に今回のトレーニングが行われることを知り、
幸運にも参加させていただくことになりました。


トレーニングの流れと課題

1.お手本と自分の音声を波形ソフトで比較

(1) 全体的に見て:

波形で見ると、自分ではお手本のとおり言ったつもりでも、
出だしから大きく異なっているのがよく分かります。
イントネーションが自分流になってしまっている、と指摘を
受けました。

「自分のやり易い区切り方で練習したからでしょう」とのこと。
たしかに自宅では、My aunt stopped the car / to get the box
というように、意味上のまとまりごとに区切りながら練習をして
いました。

これにより、全体的なメロディーが狂ったり、本来つなげるべき
音と音とのつながりが切れてしまっていたのでした。


(2) 音、単語、フレーズ単位で見て:

・子音を発音する際の息のスピードが遅い
・開く母音の「音の変化」が出ていない(あごの下げ方が不足)

 などなどの問題がありました。

事前に他の方のレポートに目を通していたので、注意していた
つもりでしたが、やはり出来ていなかったようです…。

波形ソフトを利用して、細かい区切りごとにまねていく(修正を
していく)訓練を勧められました。

音の強さや長さ、音と音のつながり、音程、メロディーを含め、
自己練習のときよりも、もっともっと緻密にまねる必要がある
ことが分かりました。

                  
   

--- 余談ですが、

トレーニングを受けながら、管楽器の練習をしているような
感覚に陥りました。学生時代に吹奏楽でクラリネットを吹い
ていたのですが、複式呼吸とのどを意識した発音、息の速さ、
音と音とのつながり、音程など、色々なことに気を配りながら
少しずつ繰り返し練習していく…そのときの感覚を思い出し
ました。

ちなみに、
「音から音へ音程が上がりきれていない」
「他と歌い方が違う」
など、受ける指摘も妙に重なっています。---



2.子音を強調する練習

30音DVDにもある"Excuse me, but …"のささやきトレーニング。
自己練習のときよりも、おおげさに子音を強調するくらいで
丁度いいことが分かりました。

録音された自分の声が、当初よりもずっと英語らしい響きに
なっていて感動。やればできるかも、と嬉しくなった瞬間でし
た。
  

3.リスニング

通常の1.25倍速で流す音声を、スクリプトを見ながら、
同じ速さとイントネーションとであることを最優先にまねして
みます。

口の形が出来上がってくると同時に、通常の速さでの音声
が聞き取れるようになるそうです。

ここでもまた、意味を頭に浮かべるのではなく、音そのものを
集中して聞くことが大事だと教わりました。

私はなかなか早口についていくことが出来なかったのですが、
基礎を身につけた後に、好きな映画の中の台詞などで挑戦し
てみたいと思います。



4.「ドーム状の響き」の練習

鼻音とのどの響きを意識した発音をいくつかの単語やフレーズ
で練習しました。

「今のは違う」「そう、それ!」と、先生に見ていただくうちに、
段々と感覚がつかめてきました。



トレーニングを終えて

一人で練習しているときには分からなかった自分の弱点や、
具体的な訓練方法が分かり、今後ひとりで勉強を続けていく上
で、とても参考になりました。

また、トレーニングでご一緒した他のお二人のやる気にも
触発され、頑張ろう!と心新たにした一日でした。
有意義かつ楽しい時間をありがとうございました。

 My ひとこと

ちえさんの、「自分の発音を相手にわかってもらえず怪訝な顔をされること
がしばしば」という主な原因は、「開く音」を「狭い音」で発音していたこと。

「開く音」はしっかりしたし、のど〜ドーム状の響きは非常に心地いいものに
なったので、アメリカでも自信を持って生活できるでしょう。

      
  
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