30 On Training Reports


  #52
菊池さんの場合  TOEIC 530 (L315, R 215)
  
  「大学3年目の21歳。
  30音DVD、購入後しっかり見て練習しました。
  聞き取りのところの文を覚えてしまうくらい は見ています」

  要望は、
  今まで自分なりに発音の練習をしてきて、方向が間違って
  いなかったかと、今後の勉強方法。

  あと、この夏に、オーストラリアにホームステイで1ヶ月ほどの
  短期留学を予定していまして、発音で、こういうのは直してお
  くと向こうの人に通じやすい、わかりやすい、という事があれば、
  その確認もお願いしたいと思います」

  ということでトレーニングとなりました。


 30音トレーニング 体験レポート

               つもり

  ”つもり”。
  この一言に今回のトレーニングで実感したことが集約されると思い
  ます。今回の体験レポートにこの言葉が、10回以上出てくると思い
  ますが、まだ少ないと感じるくらいです。そして、トレーニング中に
  「体験レポートの一行目はこれしかないな」と思うほど、自分にとっ
  て重要な鍵となる言葉でした。


  トレーニングの動機など

  あるとき、uda先生のホームページを知り、それまで英語の勉強は、
  どちらかと言うと嫌いだった(映画、歌などは好きですよ)、私が
  発音の大切さを知り、これなら楽しく、しかも実際英語が出来るよ
  うになるのではないかなと感じ、30音DVDを購入し、そのDVDや
  ホームページにあることを理解した”つもり”になって、やっていま
  した。

  そして、やっていくにつれ、自分の感覚では発音がどんどんよくな
  っていると感じていますが、同時に、これでいいのだろうかとか、
  根本から間違っていないかとかが気になり、最近、再開された
  発音トレーニングに申し込んだ次第です。

  もちろん、以前から、他の人の体験レポートをしっかりと見ていて
  (”つもり”でした)、以前トレーニングをやった方たちがあれだけ
  注意されたところを言ってくれているのだから、それらだけは気
  をつけようとしていましたが・・・


  当日行った内容

  トレーニング日時:2005年7月16日(土) 11時〜4時

  トレーニングが再開されたのを知り、飛びつくように、すぐメール
  をして、念願の発音トレーニングを受ける事が出来たのですが、
  岩井駅で先生に会うまで、前日くらいから、行く途中ずっと、ま
  さかとか本当にこの自分が受けられるのかなど、さまざまな気持
  ちが入り混じり、どきどきでした。

  また、その日はもう1人他の方と一緒にトレーニングを受けました
  が、2人のほうが、他にやっている人の意見、発音も聞けますし、
  なんか心強くなれると感じていたのでよかったと思います。

  そして、駅から先生の運転する車で先生ご自宅に行き、早速、
  うわさの?トレーニングルームでトレーニングが開始されました。
  当日のトレーニングの内容は以下のとおりです。

  ・課題文を読み上げ、それを録音
  ・Lの発音(便宜上カタカナで書きますがエルのルの長さを知る。
   しってる”つもり”でしたが、やはり目から鱗)
  ・録音した発音の悪い箇所を先生が指摘、とその直し方講座
  ・英語の聞き方(聞いた音を元の文より早く言うなど)
  ・いろいろな声の出し方
   (こういうしゃべり方の人もいるという例を聞いたり、まねてみたり)
  ・ささやきトレーニング
  ・質疑応答

  以上だと思いますが、何か足りなかったらごめんなさい。


  発音指摘箇所

  これから挙げる、指摘箇所はDVDにも他の人の体験レポートにも
  あるものばかりで、いかに自分がしっかり理解していないのに、
  理解した”つもり”になっていたかがよくわかりました。

  指摘していただいたところは、

  ・文が、ぶつ切りになっている
     これは、そのままですが、英文を自分の言いたい様に、言っ
   ているためです。文頭でもいきなり切れやすいです。
     
解決策:よく聞いて、しっかり真似る。

  ・s などの子音を強く
     私はすべての文、全体を通して弱かったです。
   30音などで発音を勉強する人にとっては、コメントする必要は
   ないですよね・・・これは。

     まあ、初めは、とにかくお手本と音と同じ”つもり”ではなく、よく聞
   いて、同じ鋭さで出すようにするしかないと思います。

     いろんなところに書いてありますが、子音は本当に鋭い音です。
     解決策としては、試行錯誤、鋭い音が出るよう練習するしかない
   と思います。子音と母音のバランス調整は、ささやきトレーニング
   がいいと思います。

  ・音の強弱、明るく(抑揚をつける)
     強く言うところは強く、弱く言うところは弱く。当たり前ですが、
   出来ていませんでした。

     若いんだからもっと元気よく、といわれてしまうくらい、たしかに
   日本語的な、一定のリズムで言っていました。しかも暗い印象。
   ただ、本人は明るい”つもり”でした -- そんな暗い調子では、
   何事においてもまずいいことはありませんよね。
     
解決策:よく聞いて、しっかり真似る。

  ・語尾をしっかり
     後に書くLMNのあたりと似ているかもしれませんが、語尾を
   聞いていないので、強い語尾と弱い語尾の区別がついて
   いない。
     
解決策:またまた、よくきいて、しっかり真似る。

  ・短母音のイ
     visit, sisterなどで指摘。
   これは、一番驚きました。まったく自分では気づいていませんでし
   たが、日本語のイに近い発音をしていました。しっかり聞いていな
   い典型ですね。頭の中で、音を勝手に変換していました。通じる
   発音にするためには兎にも角にも、直すべきところです。
     
解決策:正しい音を出す。これだけですが、癖になっているので
        意識して直す事が必要。

  ・冠詞・不定詞を弱く早く
     文頭や文中で弱く早く言うところを、弱く・早く。
   初めに感じる半分の時間で言う感じ。それでも遅いかも。
     
解決策:同じ文を何度いっているかわかりませんが、よくきいて、
         しっかり真似る。

  ・Rの音ができていない
     ・・・もう、コメントのしようがないくらいで、DVDにあるような、
   ドナルドダックの形すら出来ていない。口の形が出来ていないの
   で、当然音が出るわけがない。

     bring, third などでの指摘です。Rというと、一般になにか英語の
   発音っぽい感じが一番する音でよく練習した”つもり”でしたが、
   最大の”つもり”発音でした。というより”つもり”にもなっていない
   くらいです。

     DVDを見るとき、目をつぶっていたのか、と本当に思えるくらいの
   情けなさです。さらに、先生にメールで
   「30音DVD、購入後しっかり見て練習しました。聞き取りのところ
   の文を覚えてしまうくらいは見ています。現在も気になるところが
   あったら、どきどき見ます」とか書いていたので、より情けないです。
   先生、ごめんなさい。
     
解決策:DVDを再生するとき、目は開いておく。

  ・開く音
     開く音やRもそうだと思いますが、変化する音も知ってる”つもり”
   というか、よくわからない・よく聞いていない、という状態でした。
     
   実際、トレーニングで、しっかりと変化する音を聞き、なんとなくの
   理解だった変化する音が、多くの音でしっかりと変化を実感でき
   るようになりました。
     
解決策:音をよく聞くのはもちろん、細かく聞く。

   個人的な意見では、これは、かなり多くの人が”つもり”になって
   いるのではないかなと思います。(と、えらそうに言えるほど、しっ
   かりと聞いて発音できているか、やや不安)

  ・LMNをしっかりと
     home, school などでの指摘。どこにでも書いてあります。
   これらの音の長さ、LMN の音だけで、単語の発音時間全体の
   半分はあるかも。
 
   子音と言われるほど、しっかりとした存在ですから、忘れては
   かわいそうですね、音をしっかりと出さないと。
   
解決策:まず長さを知る。これから始まると思います。

  分かったつもりでそうではないことは山ほどありますね・・・
  ほとんどは、知識として知っている”つもり”で、また、ちゃんと
  出来ている”つもり”でした。本当に・・・

  当日、難しいを連発していた自分に、先生は「簡単だよ」と仰って
  くれましたが、すぐにはそう思えませんでした。しかし、後になり、
  本当にこれらの指摘の多くは、しっかりと意識をして、発音する
  ことで容易に改善できることだなぁ、と感じています。


  特に気になった(しなければいけない)所その改善策

  まずは、短母音のイですが、これは深刻とはいえ、トレーニング
  で気づかせていただいたので意識すれば、比較的楽に直ると
  思います。

  あと、しっかりとよく聞く、と何度も書いてありまして、実際どうしろ
  と・・・と思う人もいると思いますが、しっかりと聞く、具体的な一つ
  の方法として、
  "SoundEngine Free"や"Sound it!"などのパソコンで録音した
  音声を、波形にして表示するソフトを使うのが良いと思います。

  これらは、文章の強弱、つながりなどの、特に有声音が、波形と
  して目に見えるので、参考になると思います。また、細かく再生
  すれば、LMNの長さ、音の変化を確認する事に使えると思います。

  先程挙げたソフトとは違いますが、実際にトレーニングでも、音声
  を波形にするソフトが大変参考になりました。
  ちなみに、自分は、"SoundEngine Free"を使ってみようと思います。
  理由は・・・その名前から想像つくかもしれませんね。
  これらを使って、発音の基礎をしっかりと確認し、自分のものとする
  事が、発音練習において非常に大切なことだと思います。まだ使っ
  た事がない方は、実際に使ってみることをお勧めします。

  そして、LMNの発音です。
  本当に重要なので何度でも言いますが、長いです。え〜〜〜と
  思う方は、とにかく、音を聞いてみることをお勧めします。単語の
  中での語尾のLMNとそれ以外の発音されている時間の長さです
  ね、実感できるまで、波形ソフトなどで試してみたほうがいいと思
  います。

  できれば、自分で home, school など発音してみて、比べてみる
  とわかりやすいかもしれません。自分での発音の感覚としては、
  たしかにLMNが長いのですが、それを長くするというよりも
  (実際には長く発音しますよ)、単語自体の発音時間は変えない
  で、LMNより前の音を倍速で発音し終え、後の時間でLMNの音を
  出すという感じで、いいと思います。

  その雰囲気を文字にしてあらわすと、
  s-ch-oo---l (いわゆるスクールです)から
  school-----(本当の音です)という感じで、
  ”-”があるほどその前の音を長く発音する。上下とも長さは同じ
  で、Lの長さが違うのですが、本当にこんな感じだと思います。

  いつもどおり、不思議なことに、いったん理解すると、長く発音して
  いる事がちゃんと聞こえます。


  最後に

  ほとんど、注意だらけでしたが、一つだけ、練習した後、早い段階
  でOKになったのが、ささやきトレーニングで、一つの大きな自信に
  なりました。これは、前からちゃんと出ていると、一応思っていて
  (とはいえ、本当は予想よりも、もうちょっと鋭かったです。
  また、他の音もできている”つもり”でしたが・・・)、唯一、安定して
  出せる音かもしれません。とはいえ、いつ、いかなるときでも、自然
  に鋭く出るように精進したいと思います。

  そして、ここまで、散々ちゃんと見ろ、ちゃんと聞け、などと、述べて
  きましたが、これは本当に、自分の見ている・聞いている”つもり”
  の衝撃が大きくて、もし同じ状態の人がいたら、何とか気づいても
  らえないかなと思い書いたものです。

  とはいっても、正直、トレーニング前に自分がこの文章を見ても、
  「ふーん、そうなんだ」くらいで終わっているような気がします。
  しかし、特に他人に自分の発音をみてもらう事がない人は、いくら
  自信があっても、一度だけでいいので、自分が ”つもり”になって
  いると疑って、自分の発音を細かく、特に当たり前と思っていると
  ころを見てみてください。

  ただ、それでも気づきにくいところがあるので、やはり機会があれ
  ば、この発音トレーニングを受けてみたほうがいいと思います。
  本当に気づかなかった事がわかります。トレーニングの効果は私
  が保証します!(どれだけの保障なのか、わかりませんが・・)

  もう読むほうも文章が長くて疲れきっている気もしますが、
  もう一つだけ言わせてください。せっかくの機会、書いておき
  たい事がたくさんあって、一つでも参考になればと・・・

  それは、「目的を理解すること」です。
  自分もなかなか出来ていないのですが、たとえばあごの下げ方、
  たとえば波形ソフトの使い方、ですが、あごの下げ方で言うと
  目的は音を変化させることなので、あごを下げるときは音が変化
  するまでさげる、逆に、変化すればいいので、必要以上には下げ
  すぎない。

  また波形ソフトでは、音の強弱、リズムなどを視覚で確認したり、
  それを調整したりするのが目的で、お手本と完全にぴったりには
  する必要がない。など、多くの練習で、ほかのことに集中しすぎ
  て、本来の目的を忘れてしまう場合があるかもしれませんので、
  何のためにそれをやっているのかというのを意識しながらやれ
  ば、間違った方向に進んだり、無駄な時間を使いすぎたりする
  事がかなり減るはずです。

  このことは、発音練習以外のほとんどの場合で当てはまる、大切
  なことだと思います。

  あと、相鉄線や小田急線付近で、なんか鋭い子音の音を出したり、
  ドナルドダックの口をして、うなったりするような、怪しい人を見つ
  けたら、それは、きっと私かもしれません。噛みついたりはしない
  ので、気味悪がらずに、笑顔で、離れれば大丈夫です。

 
 追伸(1):大変楽しく、また、かなりの発音改善が(今後の定着を
       含め、自分の感覚ですが)できたトレーニングでした。

    指摘していただいたことを改善し、それらを呼吸と同じくらい、
    反射的、自然に出来るよう練習していきたいと思います。

    いつか、発音に関して、自信を持ったとき、またお会いするか、
    電話で、その後の成果を確認してもらいたいと思っています。
    その時に、やや驚いた表情をしたあと、先生に
    「へぇ〜〜。よくやったね。合格です!」
    と笑顔で言っていただけることを目標に、今まで以上に”素直”
    に、そして楽しんで英語をやって行こうと思います。

    今は、言葉では言い表せないくらいの感謝と(発音を良くする
    事が出来る希望の)うれしさでいっぱいです。
    本当に、本当にありがとうございました。


 追伸(2):頂いたアーモンドチョコレート、やはりおいしくて、電車に
       乗ってから次の駅に着くまでに食べきってしまいました。
       あれも改めておいしいと感じたということは、あの商品の
       味をちゃんと知っていた”つもり”になっていたのかもしれ
       ませんね。
       (頂いたことがうれしかったのと”つもり”を
       忘れないためにも、箱は記念にとっておきます)

       それでは。

 My ひとこと

菊池さんは、本人のレポートの通り、”つもり”がたっぷり。それをしっかり掴んで
くれたので、オーストラリアでの短期留学、そしてその後も、大いに期待できるで
しょう。帰国後、様子をお知らせ下さい!

      
  
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