30 On Training Reports


  #48
Takanoさんの場合  TOEIC 980

  「英検1級、TOEIC 980点ですが、ニュースキャスターの英語は聞け
  ても日常会話の音が聞けないという壁にぶつかっています。個々
  の発音はそれなりにできている気になっています。

  現在、何を間違ったか通訳業務をすることになり、
  簡単な文も聞き取れなくて地獄のような日々です。」

  ということでトレーニングとなりました。


 30音トレーニング 体験レポート

  この15年間、教材的な英語やニュースを中心に勉強してきてしまっ
  たため、TOEIC 980点、英検1級にもかかわらず、ネイティブの日常
  会話が聞き取れない、という事態を招いてしまいました。

  これでは元も子もなく、また憧れの通訳業務を開始できたけれどリス
  ニングの壁があまりにも厚く、1日も早くリスニングができるようになり
  たいという思いから、お忙しい中、Uda先生にお時間を割いて頂きま
  した。

                   

  課題文、ささやきトレーニング、速読みトレーニングと進む中で様々
  な点をご指摘頂きましたが、改善優先順位は以下との事でした。

  (1) 「できる」と思うこと。

  (2) 声のトーンが暗くて怖いので明るくする。

  (3) 不正確な音、思い違いしている音を修正する。

   ・開く音(特に saw など)

   ・l、m、n を強く長く発音する。

   ・冠詞、前置詞、不定詞などを弱く速く発音する。
    (現状では遅く強いため文型の1要素[S, V, Oなど]と勘違いされる)

   ・子音の息のスピードを上げる(口の基本形を守る)。

   ・1単語内まで波打つイントネーションを真似る。
    (現状では単語ごとの階段状の高低しかない)

   ・子音を強く母音を控え目に発音する。

   ・話すスピードを上げる。
    (遅すぎるので、速い英語が聞き取れない)

   以上の点を克服して映画の台詞をそっくり真似れば、速くて
   モゴモゴした「普通の」英語が聞き取れるようになる。その効果
   は数十行単位で実感できるとの事でした。

   と書くのは簡単ですが、この「そっくり真似る」というのは並大抵
   のことではありません。

    トレーニングを受ける前は、口調や

   全体的なイントネーションまで真似れば十分かと思っていました。
   でも実際には、子音の強さのみならず、息のスピードに耳を傾け
   ねばならず、単語ごとの強勢のみならず単語内の波打ちを再現
   せねばならず、声のトーンのみならず声の響きを真似なければ
   ならない。

   まさに、声自体は違えど、それ以外は全て同じであって初めて
   真似たことになるのでした。

   例えば、鼻にかけて口の中でモゴモゴ話す人を真似ていた時に、
   私の発音では
   『"really"の"a"だけ口の外に出ている』、と指摘されました。

   そこで、"a"もドーム状に響くように発音してみると、それは
   お手本と同じ"really"でした。私は今までこんな "really"を発音
   したことはありませんでした。だからそんな"really"は私の耳に
   届かなかったのでしょう。そしてそんなことが全ての単語で起こ
   っているのかもしれません。

                     

   このHPをご覧になる方の中には私と同じ悩みを抱えている方が
   いらっしゃると思いますので、最後にUda先生に頂いたお言葉を
   書かせてください。

   トレーニング中、休憩中、たくさん励まして頂きました。
   これまで、日常会話が聞き取れないことへの自分の劣等感は
   凄まじく、このままでは私のこの15年間は無駄になってしまう
   と思っていました。

   でも、「今までニュースなどの特殊な英語ばかり聞いていただけ。
   その分野においてはすごいことを成し遂げたわけだし、今度は
   別の種類の英語にチャレンジするだけ。

   今までやってこなかったんだから今できるわけないでしょ。
   でも今までやってきたことに比べればあとちょっとのところまで
   きてるんだから、すぐできるよ。」とおっしゃって頂き、涙がこみ
   上げてきました。

   一日も早く Uda先生に嬉しい報告ができるよう、「できる」と
   信じて頑張ります。



 My ひとこと

Takano さんの第一印象は、端正で、生真面目。クールな努力家。
話し方はとても知的(下のカタイ音声とはまるで別人)。

個々の発音は、一部の音を除きほとんどOK。ただし、イントネーションは不自然で、
遅い。些細なようだが、これらは速い英語が聞こえない原因となる。ということで、
トレーニングはリスニングのための”音の聞き方”がメインとなりました。


 課題文
トレーニング前  語尾が弱い。the, of などの弱く発音する
 単語が強い。読むスピードが遅い。
トレーニング後  上記を改善。
 子音は今後の練習で、もっと強くなる予定。

      
  
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