30 On Training Reports


 #46
coconut さんの場合
  
  「現在、MBA取得のため大学院(USA)に行っています。

  帰国子女でもなく、30歳も過ぎてからどんなに勉強しても、
  この発音の壁だけはどうしても超えられません。
  どうにかしなければと焦っているのと、
  こちらで結婚が決まり、一生 USA に住むことになりそうなので、
  どうにかしてこの発音の悪さを克服したいです。

  ちなみに30音シリーズ(DVD)買いました。
  もっとたくさん練習する予定です」

  ということでトレーニングとなりました。




 30音トレーニング 体験レポート

  先日、念願の発音トレーニングを受けることができました。
  私は現在アメリカで大学院生をしています。授業についていくことや、
  試験を受けたりレポートを書いたりすることは何とかなっていたものの、
  いざディスカッションやプレゼンテーションとなると、自分の発音に自信
  が持てず、消極的になりがちでした。

  しかし、その一方で、日常生活では問題なく英語で意思の疎通が出来
  ているし、私は所詮日本人なのだから、この程度でいいか、という半ば
  諦めのような気持ちもありました。

  けれども、このままこんな発音で一生劣等感を持ちながら英語を話さな
  ければならないのか、諦める前にやるだけやってみるべきなんじゃな
  いか、という気持ちが芽生え始め、お忙しい中、ワラにもすがる思いで
  uda 先生のレッスンを受けることになりました。

                        

  先生のお宅に到着し、早速課題文を録音。
  この9文については何度も繰り返し練習していたので、はりきって臨ん
  だところ、いきなり

  「ちゃんとお手本を聞きましたか?
   聞いたつもりになっていただけですね」とのご指摘。

  さらに
  「これではプレゼンテーションでも聞いている方が疲れてしまいますね」
  とのお言葉。うーん、私はちゃんとお手本通り忠実に真似たはずなのに、
  これ以上どうやって直していけばよいのだろう、とやや不安な気持ちに
  なってきました。

  そこでお手本と私の違いをPC上の波形で見てみると、なるほど、違いは
  一目瞭然。私の文は全てブツブツと切れていて、ただ単語を並べて平坦
  に話している感じ。自分では強弱をつけて話しているつもりだったのに、
  どうやら単なる"つもり"だけで実行に移していなかったという事実が浮き
  彫りにされてしまいました。

                       

  気を取り直して、しばしリスニングチェック。学校では授業にもちゃんとつ
  いていけているし、日常生活でも聞き取れているし、リスニングには自信
  があったにもかかわらず、細かい部分が全く聞きとれていない事に愕然
  としました。

  match と much の聞き分け、余裕でわかるはずだったのに、どっちが a
  でどっちが u か、即座に答えられません。「考えないで、すぐ答えて」とお
  っしゃる先生を無視し、散々考えて出した答えが見事に間違っている。

  いきなりつまずいてしまい「いつもはわかるんですけど・・・」などと言い訳
  してみたりしましたが、先生には「ハイハイ」と軽く流されてしまいました。

  けれども、次第に、実は今までいかに全く音を聞いていなかったのか、
  自分でもはっきりわかってきました。今まで聞き取れていた、と思ってい
  たのは、ただ、文の前後から単語を推測していたにすぎなかったのです。

  例えば、
  Thank you の後には very much がくるのが当然で very match 
  などと間違えようがないのだから、今までは、a であろうと u であろうと、
  また、r であろうと、l であろうと、耳から聞こえた音で判断するのではな
  く、文脈から判断していたのです。今までずっとこうやって聞き分けてい
  た気になっていたので、個々の単語を単独で聞き分けられていないと
  いう事実は衝撃的でした。

                      

  聞き分けられないのだから、発音できないのも当然といえば当然で、
  まずは a と o の発音からやり直し。私の場合、a と o の口の開きが
  全然足りないらしく、全て u に聞こえてしまうとのご指摘。

  a を、あごを下げながら音が変わるのを意識して発音してみます。
  次にoの練習です。o の発音もあごを下げますが、唇はそのままにして
  あごだけ下げるようにという指示。しかし、やってみるものの、どうもう
  まくいきません。

  そこで「蛇口から水を飲む時の水を口に含むようなつもりで」とのアド
  バイスを頂きやってみます。なるほど、蛇口のイメージで、と考えると
  ぐっとやりやすくなりました。

                       

  「難しいですね〜」私は一体何度この言葉を口にしたことでしょうか。
  「難しいと思うから、難しい。たったの30音しかないのだし、まねるだけな
  んだから、簡単だ、という気持ちでやらなければ」という先生の言葉に納得
  し、そうだ、こんなの簡単簡単、と自分に言い聞かせてみるものの、今まで
  こんな動きを意識したことはなかったのだし、どうしても難しい、と思い込ん
  でしまいます。もっと柔軟な思考回路があったらよかったのですが。。。

  気を取り直して、次に課題文の練習に。
  My aunt stopped the car to get the box.

  自信のあったこのセンテンス、録音した自分の声を聞いてみると、なんだ
  かとっても耳障り。お手本と自分の声をPC上の波形で比較してみると、違
  いは一目瞭然。私の文は見事にぶつ切り状態でした。the や to もひとつ
  の単語としてしっかり主張しているように聞こえます。

  これでは、全部の音が同じ強さに聞こえて、何を言わんとしているのか聞
  き手にとっては謎に違いありません。先生曰く、これではぎこちない。つた
  ない日本語を話す外国人と同じだそうです。まずはこの文章を徹底的にや
  ってみることになりました。
  たったこの1文の中に早速複数の問題点が発見されてしまいます。

  まず、ひとつひとつの単語がうまく発音できていない、とのご指摘。
  aunt の a、stopped の o、car の a, そして box の o。
  要するに、しっかり母音が発音できていません。
  さらに、car については子音も全部だめだそうです。

  「5分間でお手本どおりに言える様に仕上げて」と言い残し、先生がいなく
  なってしまいました。ひとりっきりになって何度も何度も繰り返し言ってみま
  すが、気持ちだけ焦ってきます。

  それでも、何度も練習しているうちに、100回に1回くらい、今のはうまく
  出来たかな、という音が出てくるようになりました。

  そうするとすかさず先生が、その音!と褒めてくれるのに、いざマイクを持っ
  て録音となると再び自己流に戻ってしまい、がっくり。頑張れば頑張るほど、
  どんどん肩に力が入ってカチカチになり、声にまで反映されてしまいます。

  そんなことを繰り返していくうちに、少しずつではあるけれど、納得のいく音
  が出せる回数が増えていき、ちょっと自信がついてきました。いままで無理
  と思い込んでいたけど、私だって、頑張ればできるかも、そんな希望が見え
  てきました。

                       

  次の課題文の大きな難関は school の l でした。
  私の場合、l を伸ばしているつもりが、どうやら choo の部分を伸ばしている
  に過ぎないらしく何度言ってもだめ。そこで先生が「"クーオ"と言ってみて」と。

  スクーオ、こう言えばいいはずなのに、私のガチガチの石頭が命令に従って
  くれません。どうしても、頭がスクールと言いたがっているのです。先生にも
  「なかなか頑固ですねー」と呆れられてしまいましたが、それでも、やっぱり
  脳が命令どおりに働いてくれないのです。

  クーオ、クーオ、クーオ、よし、スクーオ、
  やっと言えるようになってきたけれど、本当に school は
  スクーオで良いのでしょうか?

  ここで、録音した自分の声を聞いてみると、あら不思議。
  確かに school らしく聞こえている。

  私の場合、こんなことがとても多いことがわかりました。カタカナに縛られて、
  こう言わなきゃいけない、と勝手に思い込み、お手本はそっちのけで自分
  のいい方に解釈して発音してしまう悪い癖が知らぬ間についてしまったら
  しいのです。

  今からでもなんとしても直さねばと思い、
  「先生、私生まれ変わりたいです!」と訴えたところで、
  コーヒーと桃を持ってきてくれました。

  「この桃でも食べて生まれ変わってください。」と先生。
  甘くておいし〜い。
  これで私も生まれ変われそうな気がしてきました。


                    

  次に30音DVDを見ながらちょっと練習しました。
  私が今までこのDVDをいかにうまく活用できていなかったかが、はっきり
  わかりました。今までの私は、基本の口の形さえも本気で真似ようという
  努力もせず、ただ漠然と画面を眺めていただけだったように思います。
  せっかくのDVD、もっとしっかり、ひとつひとつ確認しながら見なければ、
  と強く心に誓いました。

  そしていよいよ、ささやきとトレーニングへ。
  この文で実は最も苦労したのは、beenでした。

  ついつい中学で習った通り"ビーン"と発音してしまい、先生に"ベン"に
  近い、と言われても、すぐにビーンに戻ってしまいます。
  どうして固定観念がこうも抜けないか我ながら呆れました。

  せっかく他の部分がうまくいってもまたまたビーンに戻っていて、
  「またまたビン子さんに戻ってますよ」と指摘されました。

  銃でも突きつけられれば一発で直るだろうとの先生の言葉通り、それほど
  切羽詰ってないから同じ間違いを繰り返すのかもしれません。私は本当に
  真剣に頑張っているつもりだったのですが、 "ビン子さん"と言われるたび
  についケラケラ笑ってしまい、余計に真剣みが足りないと先生に思われた
  かも・・・

  それでも、とにかく練習練習。
  これを仕上げなければ、帰りの電車に間に合わなくなってしまう。
  ということで、しつこく練習するうちに、やっとぎりぎりでそれらしき音になり、
  これにてレッスン終了。

  あわてて先生の車に乗り込み、駅まで送って頂いて、なんとか電車に間
  に合いました。なんとも心地よい疲れと充実感を感じつつ、電車に揺られ、
  家路に着きました。

                      
   
  今回のトレーニング、思いきって受けて本当によかったです。
  自分の弱点を認識することができただけでなく、英語の音をしっかり聞くと
  いう事の重要性を実感することができました。そして、何よりも嬉しかった
  のは、私にも希望の光がが見えてきたこと。

  今までコンプレックスだった発音。
  これからも頑張って、秋のセメスターからは堂々とプレゼンテーションが
  できるようになりたいです。

  お忙しい中、丁寧にご指導頂き、本当にありがとういございました。




 My ひとこと

coconut さんは典型的な、「発音の壁」に悩む上級者。
症状がはっきりしているので改善は容易。そこで、発音と、英語の音の聞き方を
一から徹底的にトレーニング。

課題文
トレーニング前 なめらかだが、「開く音」が全滅。 日本人には分かるが、ネイティブには相当分かりにくい。通常、「通じない」。         

トレーニングは、30音DVD の 「Part 1 発音のポイント」を
1項目ずつ、確実に
実践。そして、約2時間後(↓)


トレーニング後 少々ぎこちないが、発音は○。
発声も発音も大幅に上達。堂々とプレゼンできます!
明るい人柄がたっぷり活きてくるでしょう。

      
  
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