30 On Training Reports


 #40
Liu さんの場合  TOEIC 945
  
  Liu さんは、4年前のTOEIC が795、昨年末は945。

  「幼い子供がいることもあり、今すぐ英語を仕事に生かそう、
  という目標もありません。

  強いて言えば、数年後(子供の就学時を目途)に
  日本語と同じぐらいストレスなく英語を使えるようになるのが
  目標(というより夢)です」

  「発音に関する自分の弱点が、まだよく分かっていません。
  自分では、特に母音がダメなのではないか、と感じていますが、
  客観的に、厳しく指導していただけるとありがたいと思います。
  また、はっきり苦手意識があるのが「母音+r」の発音です」

  「現在、千葉県に住んでおり、3月に夫の転勤で他県に転居
  の可能性が出てきたため」
 
  ということでトレーニングとなりました。




 30音トレーニング 体験レポート

 建国記念日の2月11日、
 uda先生の発音トレーニングを受講しました。

 発音トレーニングを受けに来られる方は、
 英語を使って何がしたい!という目的が明確な方が多いと
 思いますが、私は、約8年前に英語の勉強を再開した時から、
 趣味の域を出ていません。

 2年前に、定期的に受けていたTOEICで、念願の900点を突破し、
 昨年の11月に受験した時にも、945点というスコアが出ましたが、
 英語ができる、という感覚は、勿論、今もってなく、
 独学でやってきて、ネイティブと話す機会もそう多くなかったため、
 自分の英語がどのくらい通じるのか(または通じないのか)も、
 はっきり分かりません。

 ちょっと話がそれますが、今回のトレーニングを通じて、
 結局、この「自分の現状が分かっていない」というのが、
 発音を含むすべてに共通している弱点なのかもしれないと
 思うようになりました。

 発音のトレーニングを通して、いろんなことに気づかせて
 いただいたような気がします。
 uda先生のトレーニングには、どこか精神科医の
 カウンセリングを受けているようなところがありました。

                   *

 ところで、今回は、事前に30音DVDを見る時間もあまり取れず、
 練習もほとんどせずに行きましたが、
 結果としては、私にとってはそれが良かったように思えます。

 DVDを見ても、HPを読んでも、
 何のことだかよく理解できないことが沢山ありました。
 その理解できないことが「自分でできているか」なんて、
 自分では絶対、判断できません。

 しかし、昨日のトレーニングを受けて、HPを読み返すと
 「な〜るほどぉ」と思うことばかりです。
 DVDは、まだ見る時間が取れずにいるのですが、今、
 DVDを見たら、言われていることがよく分かるような気がします。

 ですから、私にとっては、今こそ、HPとDVDを活用して、
 自分で発音トレーニングを始める準備ができたと思っています。

 まだ発音トレーニングを受けられてない方は、
 機会があれば、是非、受講されることをお勧めします。
 体で感じて初めて分かること、が分かります。


 前置きが長くなりましたが、本題のトレーニングの
 内容については、他の方が書かれている通りですし、
 指摘された点や直された箇所も同じでした。

 (事前に体験レポートには一通り目を通し、自分なり
 に気をつけてはいたのですが、やはり、できないもの
 はできていませんでした)
 その中で、気づいたことを何点か書きます。

 1.「開く音」は「開いていく音」

 Jack の a について、次の2点の指摘がありました。

 (1) 「アゴの下げ方が足りない」

  これは、できてはいなくても、先生のおっしゃることの意味は分かるとして…、

 (2) 「最後の形で言おうとしている」

   ?????

 つまり、開く音は、発音の過程でアゴを下げる、つまり口が「開いていく」音なのに、
 私の発音は、開ききってしまった最後の形だけで発音しようとしている、ということ
 でした。

 開く音は、アゴを下げながら出せれば、細かい音の違いは重要ではない。
 アメリカ英語とイギリス英語は、すごく違って聞こえるが、どちらも、開く音は
 開きながら発音しているので違いがあっても通じるのだ、と言われました。

 そういう意識で音を聞くと、確かに「開く音」は英語も米語も
 「開きながら発音している」様子が思い浮かぶような音で、
 目からウロコがボロボロ落ちる思いでした。


 2.相手の音を聞いていない(言いたいように聞いている)

 ほぼ100パーセントの人が指摘されることだと思います。
 でも、では、どう聞けばよいのでしょうか?
 相手の音、つまり正しい音を聞く、ってどういうことなので
 しょうか?

 正しい音を聞くには、やっぱり正しい発音ができないと
 絶対に聞くことができない、ということがよく分かりました。

 トレーニング中、いろいろな練習を通じて、いやというほど
 気づかされたのが、カタカナ的に覚えた音や、自分が発音
 できない音は、自分が発音できる音に変換して聞いている、
 ということです。

 「発音できない音は聞こえない」とか
 「発音できない音は、雑音として脳が処理する」とか
 書いてありますが、それがどういうことなのか、
 よく分かっていませんでした。

 が、今回のトレーニングで、聞いた音を再現しようとした時、
 自分が発音できない音は、やっぱり自分が発音できる音や
 覚え込んだ音に変換して聞いていることがよく分かり、初めて
 「相手の音を聞いていない」というのが、どういうことなのか
 分かりました。

 ずっと、英語を日本語と同じような感覚で使えるようになりたい
 と思っていて、どうすれば「英語脳」が自分の中に作り出せる
 のだろう、と思っていたのですが、トレーニング中に
 「その、
音の変換作業がある限り、母国語と同じにはならない」
 と言われたとき、探していた答えの一つがそこにあるような気
 がしました。


 3.イントネーションが間違っていると、なぜ通じないのか

 英語には「てにをは」がない分、文型が重要だが、イントネー
 ションやストレスの置き方が正確でないと、文型を破った英語
 になってしまい、分かりにくい英語に聞こえてしまう、と言われ
 ました。

 例えば、私が looking for the exit を発音すると for the が
 exit と同じぐらい強い。だから聞いている人に、一瞬 for the
 が目的語か?と思わせてしまう。こういう強弱がないイントネ
 ーションは、一所懸命聞かないと何を言っているのか分から
 なくなってしまう、とのこと。

 そう言えば、
 自分のイントネーションを棚に上げて言いますが、
 私自身、ネイティブの英語は分かっても、日本人の英語を聞
 くと、分かりづらいことがあります。
 それがなぜなのかが、理論的に分かりました。


 他にも、いろんな指摘をされ、練習をし、結局、
 その場では、できるようにはならなかったのですが、
 その全てが、すでに、DVDや30音のHP、それに
 他の皆さんの体験レポートで語り尽くされたことでした。

 見ても、読んでも、やってみても分からなかったことが、
 直接、トレーニングを受けられたことでやっと分かり、
 私にとっては、やっと、どうやって練習すれば発音を
 マスターできるのか、この先の道が見えてきた感じです。

 ちなみに、私は今まで、ずいぶんシャドウイングをやってきました。
 しかし、最初に課題文を読んだあとで、先生から
 「しばらくシャドウイングはやらない方がいい」と言われました。
 マイペースの英語がしみついてしまうからです。

 私は、SSSの多読もやっているのですが、この時、
 SSSを始めるきっかけとなった本にあった

 「山頂まで行ける力がありながら、コンパスが狂っているために
 樹海に迷い込む危険」あり、
 「患部の摘出手術をして、麓の滝で精進潔斎、学校英語の
 汚れをすっかり洗い流し、身も心も生まれ変わったところで、
 頂上へ再挑戦」するように、

 というくだりを思い出しました。

 マイペースの英語は、もう十分、しみついてしまってるとは思い
 ますが、これからは心機一転、Sの音から始めたいと思います。
 そして、自分なりの進歩が感じられたら、是非、もう一度、
 トレーニングを受講したいと思っています。

 最後に、これから発音トレーニングを受けられる方に一言
 アドバイス(というほどでもないのですが…)

 この発音トレーニング、みっちりやるとかなりくたびれます。
 疲れがたまってくると、だんだん、集中力が途切れてきて
 一言、一言に、深〜い気づきが隠されている
 せっかくの先生の教えを、聞き逃しかねません。

 トレーニング前は、体調を万全に整えて、
 睡眠も十分に取った状態で受講されることをお勧めします。

 以上。

 uda先生、本当にありがとうございました。


 My ひとこと

Liuさんの発音は、「開く音」と短母音の i 、r に不満があるものの実用的には
問題なし。しかしイントネーションは少々残念、という状態。

全体的な特徴は、母音を長めに発音し、単語の強弱が不足。メロディー が
直線的なのでやや固い印象になる、というところです。    



課題文  録音した時刻とコメント
トレーニング前   11:30 am頃。母音が長め。平坦。

トレーニング後    1:30 pm頃。子音と上記を改善。
ささやきトレーニング後   2:30 pm頃。かなりお疲れ。でも心地いい響きになりました。 

      
  
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