30 On Training Reports


  #18
Sakura さんの場合  TOEIC 970
  
    Sakura さんは、
    アメリカの高校を卒業後、日本で帰国子女の通う大学を卒業。

    「自分の発音に難があるらしい、というのは社内通訳をはじめて、
    それも1年くらいたつまで気づいていませんでした。自分的には
    きわめてナチュラルだと信じていました。

    TOEICは去年の1月にはじめて受けて970点で、リスニングは1問
    間違えただけでしたが、”30音DVD”の単語聞き分けテストは6割
    から7割くらいしかできず、個別の音をいかにおろそかにしていた
    のかがよくわかりました。

    発音のトレーニングと、今後練習していく上でのフォーカスポイン
    トや勉強法のアドバイスなどをいただければと思っています。」

    ということでトレーニングとなりました。


 30音トレーニング 体験レポート
1日目

まず課題文を録音。Udaさんのコメントは、「口調が怖い」でした。
最初は声のトーンとイントネーションを治せばなんとか、ということ
で始まったものの、次から次へと弱点が露呈していきました。


母音と子音のバランス

体験レポートで何人もの方がコメントされていますが、子音が弱
すぎて「何かヘン」になっているというのが、録音した自分の声を
聞いたり波形を見たりしてよくわかりました。

ささやきトレーニングの例文も、「子音を強調する」という意味が
なかなかわからなかったのです。これまで、ネイティブに聞き返
されたとき、はっきり発音しようとして母音を強調して深みにはま
っていたというのは、Udaさんに指摘されなければ永遠にわから
ずにいたと思います。

大体、聞き返す側のネイティブ・スピーカーも、なんかよくわから
なかったな、というときは Can you speak louder? とは言うけれど
Can you emphasize consonants? とは言ってくれないわけですか
ら・・・。

そしてその子音は、単音での一瞬芸であれば出せるようにはな
ったものの単語や文章に混ざると弱くなってしまい、練習課題とな
りました。


ドーム状の響き

これも、最後まで指摘され続けましたが、鼻にかけたしゃべり方
の練習をしてみて、「私の声質でもネイティブっぽく聞かせることが
できるんだ」と希望をもちました。

これまで日本人らしさのない英語を話す日本人は、よくわからな
いけれど声が出てきている場所からして違うような気がする。自
分がいくら発音を治してもああいうふうにはならない、と思ってい
たのですが、こんなにシンプルなことだったとは。


 2日目

課題文のひとつも完成させたいところですが、お手本どおりのメ
ロディーで言っているつもりなのに違う。それもスーパースローで
再生してもらってやっとメロディーの違いや短い単語の中でも音が
上下しているのが聞き取れました。

とにかく練習すれば染み込むだろう、とリピートを続けていたら、
「もとのメロディーを忘れて、同じことを繰り返しすぎ」とのご指摘。
確かにまっすぐに歩いていたつもりが、知らないうちに少しずつ
斜めに進んでいたような状態になっていました。

自覚との違い

子音の練習のときも、鼻にかける音のときもそうでしたが、自分
では「ちょっとやりすぎじゃない?」と思っても録音した声を再生し
てみるとちょうどよかったりするんですね。


母音の開く音

これは、実は出来ていると思っていました。でも、口の形、アゴ
の下げ方が足りなかったのでした。

すぐに自分の話す英語の中で活かせると思ったアドバイスが、
開く音、狭い音とそれぞれ一貫性をもたせる、ということでした。
これは確かに思い当たる節があって、アクセントのある英語を
話す人でも、同じ音が同じような癖で出てくる分には一度慣れて
しまえば気にならなくなったりするみたいなんですね。

私の発音は単語ごとに変わってしまうところがあり、テレビのチャ
ンネルを変え続けているような感じだったんでしょう。これまではボ
キャブラリーや表現を増やすことに神経が行っていましたが、ベー
シックな単語の発音をあらためて確認していきます。

結局、1時間の延長の末、ようやく「これなら聞き返されることは
ないでしょう。ただし、口調はもう少しマイルドに。」という程度に完
成できました。

子音を強調しようと頑張ると全体が怖くなる。軽めにやってみる
と子音が消え入ってしまう。無意識に強い子音が出せるようにな
ればメロディーや声のトーンも軽やかになるかな?

「30音DVD」を自分では十分に活用していたと思っていたのです
が、Udaさんのご説明でやっと本来の使い方がわかりました。また
DVDに戻って練習するつもりですが、やはり一人でのトレーニング
には限界がありますし、ネイティブの友人知人も
Your English is fine! と面倒くさがって相手にしてくれないので、
ぜひまたご指導を受けに行きたいです。

 My ひとこと

    Sakura さんの日本語は知的でクールで魅力的。
    ところが、英語を話すと一変。有無を言わせぬ命令口調となり、
    びっくり。しかもイントネーションはマイペース。
    
    その主な原因は、細部を聞かなくても内容が分かってしまうことに
    ありました。だからトレーニングは、音そのものを聞き、再現する
    ことに絞りました。

    なめらかに言うコツをつかんでくれたので、一安心。
    クールでエレガントな英語を期待しています。


      
  
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