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30音トレーニング

横野さん体験レポート

横野さんは大学、大学院でフランス語を学んだそうですが、
いろいろな事情で英語に転向。初めてのTOEICでいきなり
825点、現在900点を超えている、という方です。

「英語の学習を始めた時、仏語学習の経験から発音が非常に大切
だと考えて、発音の基礎といった類の本で勉強し、ある程度実践で
も通用していたので、日本人的発音とはしりつつも、これが普通の
日本の社会人としての、ひとつの限界だろうとおもいこみ、この方面
での向上はあきらめていました」、とのメールを頂いていました。




  Uda さん、先日は丁寧なご指導、ありがとうございました。別れ
  際にさりげなく「体験談よろしく」と言われてしまい、困っていたの
  ですが、来たくてもいろんな事情で来れない方々に少しでもお役
  に立てればと思い、体験談を書かせて頂くことにしました。


  訪問前

  HPや「30音」で、大体の知識はかじっていました。
  「30音」はつい最近入手したばかりだったので、CDを通して一
  度聞き、トラック12と13(子音と母音がまとめて練習できるところ)
  で数回練習していた状態です。

  このトラックの音に関しては、自分自身ではDoor以外は、リピート
  した時に限り、そこそこ正確な音がでていると思っていました。


  出会い

  駅で初対面となるのですが、非常に優しそうな方であることに少
  し驚きました。歌でも芝居でも、発音矯正する人はこわい人に違
  いないと思い込んでいました。自宅にお邪魔すると、奥さんがまた
  とても素敵な方で、Udaさんのライフスタイルを垣間見る思いがしま
  した。


  トレーニング

  課題文を読んだり、「30音」の最初のほうを読んだりしている際に
  指摘された主な弱点を列挙すると、
  (細かいものまであげるときりがない)


 1. 子音を発声する時の息の速度が遅い。

 2. 母音と子音の強さのバランスが悪い(母音が強い)。

 3. 語尾の子音が抜け落ちる。

 4. Rが鼻からでていない。

 5. 単語と単語がスムーズにつながらず、そうじて演説調である。     
   (一言でいえば、イントネーションが悪い) etc…



  以下、他の体験談で詳しく触れられていないとおもわれる点
  (例えば2、3)について、コメントします。

  2は
  例えば、case と発音する時、a の音が強く且つ長すぎること
  です。

  これは、CDを漫然とリピートしていては、決して気付かなかった
  ことだと思います。従って、自宅で独習される方には、お手本と
  自分の声をテープにとって、綿密にききくらべられることを強くお
  勧めします。

  その際、私のこの弱点もチェックポイントにしていただければいい
  のではないかと考えます。

  3は
  今考えると、「語尾に余分な母音を付けたくない」という意識が
  強すぎて、必要な子音までとばしてしまっていたのだろうと思い
  ます。これは、我々がはまりやすいトラップの1つではないでし
  ょうか?
                     

  R にかぎらず、

  米語における鼻音の重要性を強調されるUdaさんによると、
  鼻にかけろといっても、なかなかできない人が多いのは、幼少
  のころから身につけた発声法以外の方法で発声することに、多
  くの人(とくに成人、なかでも知識人)が無意識に羞恥心や罪悪
  感を持ってしまうのではないか、ということです。

  そういわれた時は思い出せなかったのですが、あとになって次
  のような個人的ことが頭に浮かびました。

  私はもともと鼻が弱く、よく鼻にかかったような声だといわれたこ
  とがあり、ひそかにコンプレックスを抱いていたこと(一般的に日
  本では鼻にかかった声は人気がない?)。

  特に歌を歌う時、声が鼻にかかっていると、非常に厳しい評価
  をうける。大学の時、ミュージカルの真似事をやったことがある
  のですが、その時も歌唱指導の人に、鼻にかかった発声を強く
  咎められたおぼえがあります。

   (ただし、本当にかかっていたのか、もともとそういう声だった
    のかは、定かではない)

  こういう過去があったためでしょうか、Rの鼻音はなかなかOK
  でませんでした。もし私と似た方がいらっしゃるようでしたら、米
  語をやるなら胸を張って、息を鼻にかけろ、と強調したい今日こ
  の頃です。

                     

  Dog の o は、

  私の読みがあさすぎたせいでしょうか、唇も大きく開くものだ
  と思っていました。しかし、Udaさんによると、同じ開く音でも
  Cat と違い、この場合、唇の開きは少ないそうです。

  勿論、下アゴはかなり下げるのですが、
  ノドが開いて唇の開きは小さい。
  ゆえに、
  口全体、あるいはノド全体に共鳴する音が出る、
  ということのようです。


  最後にイントネーションは、

  個々の音をマスターした後、簡単な会話の教材を、まず一冊、
  徹底的にマネすることがだいじ、と教わりました。

                     

  Udaさんの耳

  非常に耳がよいのに感服しました。
  このかたは理屈ではなく、文字どおり感覚(この場合聴覚)
  で音の違いを指摘されているんだなと、強く実感しました。

  後でお話を聞いてみると、マニアックなほどの音楽ファンで
  あることがその原因だろうということです。しかし、全てのミ
  ュージシャンが語学の達人でないところをみると、やはり
  Udaさんの個人的資質ではないかと思います。

  とはいえ、
  素質とは関係なく、耳も発音も良くなる筈というお立場なの
  でしょうから、我々も素直に練習にはげもうではありません
  か。


  成果、etc…

  来て良かったという思いは強く感じています。
  その原因は、発音がうまくなったことよりも(勿論かなり上達は
  したのですが、自分には、欠点も課題も多々かんじられたので、
  むしろこれからが大変だろうとおもっています。)Uda さんにお
  会いできたことにあります。

  また、Udaさんの生徒の録音(高校生で、海外経験一切なし)
  も聞かせていただいたのですが、完璧にネイティブと同じ音で
  あることに驚嘆しました。

  他の体験談で、おなじように生徒の録音を聞き、どこがすごい
  のかわからなかったという感想があったような気がしますが、私
  の聞いたものは真にすごかった。

  ほぼ成人にたっしてから海外経験なしで始めても、あそこまで到
  達できるというのは、驚きであるとともに、大きな希望でもあるの
  ではないでしょうか。
                     

  Udaさんにお会いできてよかったとかきましたが、たんに音の問
  題のみならず、音と意味、文化などのお話も聞かせて頂き、本当
  にありがとうございました。またお会いできる日を楽しみにしてお
  ります。

  およそ、メソッドというものには、個人に対して向き不向きがあり、
  同じ言葉、たとえを使っても受け取り方は人それぞれなのでしょ
  うが、「30音」メソッドは、相当な範囲の人に容認されうるもので
  はないでしょうか。
   


英語の発音は成人になってからは無理で、30代を過ぎれば
ほぼ不可能、という定説をあっという間にうち破ってくれました。
おまけに将棋三段の腕前とあっては、少なからず悔しいので
すが太刀打ちできません。
だめ押しですが、課題点よりも、進歩の方を強調して下さい。

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