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30音トレーニング

       白倉さん体験レポート

   ■ 最近の様子  ■トーストマスターズ 全日本スピーチコンテストのお知らせ


     


     TOEIC970、英検級の白倉さんは

     「一昨年の暮れから英語のニュース番組を録音して、それを書き取る
     ことを続けてきました。ときどき書き取ったものを読んで録音し、オリジ
     ナルと比較しています。

     おおむね自然な発音になったとは思うのですが、やはり何かが違うと
     いう思いがあります。

     以前会話の練習相手になっていただいた方(複数)が英国(England)の
     方なので、私の発音は England 南部の発音の影響を強く受けている
     と言われます。
     英米の発音のメカニズムがどれだけ違うかはわかりませんが...」

     という方で、テープ診断をした後、トレーニングをすることになりました。



  

     




    Udaさん、こんばんは。

    トレーニングがあまりに楽しかったので、もっと感動的な体験記が
    書けるかと思ったのですが、皆さんのもののほうが良く書けてい
    ますね。
    それでも何かの参考になれば幸いだと思って書き送ります。


    自己紹介

    中学・高校・大学と英語は得意でしたが、外国人と初めて英語
    で話したのは大学に入ってから。勤め始めてから出張で初めて
    外国に出ました(グアム・サイパン)。

    駐在員(会計・財務)として香港に3年ほどいましたが、そこでは
    専門書を読む他にはあまり英語を使いませんでした。

    今は人事・労務担当です。英語を使う機会はほとんどなくなって
    しまいましたが、なるべく英語で読むのを欠かさないようにしてい
    るので、10年後の今でもあまり英語には困らないでいられます。

    TOEICは過去12年間に3回受験。 830 - 955 - 970 でした。
    英語検定級。



    はじめに

    指折り数えて待っていたトレーニングに行ってきました。
    気持ちの良い5月の朝。特急列車からの緑豊かな景色が心
    地よく、着く前からなんだか楽しくなりました。

    すてきなご家族に迎えられてUdaさんの「城」へ。あの部屋は
    うらやましいですね。


    この日の時間割

    まず立派なマイクロフォンを前に課題文1を録音しました。
    少しですが自分の声を録音して批判的に聞く練習をしておい
    たので、そんなにうろたえずにすみました。

    「まずまずいいんじゃないでしょうか」

    そのあと個々の音の要素について説明と練習とがありました。
    私の課題としては

    「 (1) 息のスピードが欲しい  (2) 共鳴音が欲しい」

    ということで、この点については今までの体験記と同じことを
    書いてしまうことになるので細かくは書きません。ただ、お手
    本のアタック(音の出る瞬間)は聞けば聞くほど強烈で鮮やか
    ですね。

    こういうときには、やみくもにまねをしようとするよりも自分
    なりの音の印象を持つと良いように思いました。私はよく砥い
    だ山刀(なた)でスパッと枝を切る感覚(音ではない)や、速球を
    カーンとバットで打つ瞬間を想像して発音しましたが、それな
    りの効果があったように思います(これは私個人の意見です)

    音の他に練習したのがイントネーション・区切り方です。
    指摘を受けてからお手本と自分の録音とを聞き比べると、自
    分がどれだけ勝手に課題文を読んでいたかがよくわかりまし
    た。

    自分の声を聞くと、ちょっと冷淡で厳しい(人を見下したような)
    印象を与える話し方になっているように感じましたが、これ
    は最近英米のニュース番組を書きとる練習をしてきたことが
    影響していたのかもしれません。

    感情を込めて話すと自分の英語に血が通ってくるような心地よ
    さを感じてすっかりうれしくなりました。


    それからビデオ教材を使って口の形を観察。

    映画の中の例を見ると、口の構えや動きについてのUdaさん
    の説明に納得します。話し方と同様に、発音そのものも人柄
    (役どころ)を反映するのを観察しました。

    このへんでお昼となりましたが、Udaさんとのお話がとても楽
    しかったです。奥様は
    「熱心な方が多くて、こんな遠くまではるばる来てくださる方
    がたくさんいるんですねぇ」
    と感心していらっしゃいましたが、こうして学習者に幸せの種
    をまいているんですからすばらしいことだと思います。


    午後は午前中に手をつけなかった「R」と「開く音・狭い音」と
    に取り組みました。

     は私にはなかなかの難関で、自分なりに正しい音がどの
    ようなものかがわかりかけたところで勘弁してもらいました。

     のように舌で十分に息をせきとめるときには鼻腔が鳴り
    ますが、 では音の出る場所をうまく鼻のほうに移せない。
    いろいろ試していると、
    「それそれ、それはいいです」
    と言ってくれるときがあるのですが、本人の私にとってはいま
    ひとつわからない...。

    「開く音」については、あごは十分に下げるが唇をあまり下げ
    ずに音を出すのが難しかったですね。体の力を十分抜いてノド
    の奥のほうから気持ちよく声が出るようにすればよさそうです。

    「あとはお帰りになってからの楽しみにしましょう」
    と言っていただきました。
    言葉というよりは声楽・管楽器の練習みたいでしたね。


    最後に「使用後」確認の録音をしました。
    4時間以上もおつきあいいただいたのが信じられないほどすぐ
    にお別れの時間が来てしまいました。



    私にとっての課題

    「30音」を読んで以来、
    自分で発音の方法がわかるとTV・ラジオの英語が違って聞こ
    えるのが実に不思議で新鮮です。

    いままで分析的に聞いていなかったということなのですね。
    聞きなじんだはずのニュースのアナウンサーが、実は胸から
    ひたいまでの全域で音を放射しているように話していることに
    気づいたり...。

    正しい(場面に合った)イントネーションや区切り方は、文の中
    での「かたまり」を意識すればなんとかなりそうですね。
    聞くときの意識の問題だと思います。

    一つ前の体験記に的確に書かれていましたが、大切な点は
    すべて「30音」の本に書かれていることばかりなのです。そ
    れを改めて体験すると大きな効果があるのですから、何かを
    身につけるのは難しいものです。


    Udaさんについて

    「英語でないもの」が英語になっていく過程を短い期間で体験
    できる機会なんて、そう簡単には見つからないでしょう。
    このトレーニングではその楽しさ・驚きを十分に味わえます。

    それはいったいなぜなのでしょうか。

    1. Udaさんは水準を知っていて、それを伝えることができる。

     良い音が出れば
     「そう、それです。いいじゃないですか」
     そうでなければ
     「今のはだめですねぇ」

     こうしてUdaさんは「良いもの」の水準を適切に示してくれ
     ます。師匠としてあたりまえのようですが、これを
     「きちんと」・「いつも」できるのは大変なことです。
     進歩を認めてもらうとうれしいものです。


    2. Udaさんは生徒の個別の問題を分析する。

     「これが正しいんだ」だけでは迷える子羊は救えません。
     Udaさんは「私の」問題点を分析して、必要な練習方法を
     示してくれました。

     その場で解決できなくても、その後の練習に役立つヒント
     をたくさんいただきました。


    3. Udaさんは生徒に考える習慣を植えつける。

     「(手本は)本当にそう言っているか」を常に考えて練習する
     ようになりますね。正しい発音を「正しい」と認識できる
     ようになるので、自分が自分の教師になっていきます。

     自分の声の録音を聞いて、どこが不自然かわかるように
     なってきます。良い手本を聞くとどこが違うのかが浮かび
     上がってくるようです。



     以下はちょっとひとりごと:

     Udaさんのトレーニングが様々な想像力を駆りたててくれる
     ので、極端なことを試す練習をするとおもしろいかもしれな
     いなと思いました。

     のどが締まって声の響きが乏しければオペラの一節を歌っ
     てみるとか、息の量が足りないようなら舌を巻きあげて
     「RRR」と(英語のRではありません)振動させてみるとか。
     空気の流れが十分でないとうまく振動させられないので良
     い練習になるような気がします。

     語尾の子音で元気がなくなっちゃうなら、小さな声で発音
     して、最後のところで余力で十分に息を使う感覚を試して
     みるのも良さそうだなと思いつきました。

     こんなことを考えさせてくれるのもUdaさんのトレーニングが
     いろいろと考えさせてくれるからですね。

     私は香港駐在時代に英国人に会話を習っていたので、イン
     グランド南部のいわゆる標準英音がいちばん気楽です。衛
     星放送でもBBCの放送だとなんだか落ち着きます。Udaさ
     んのトレーニングは米国の音を基本にしているのですが、こ
     の相違がまったく問題にならなかったのにはびっくりでした。


     やはりカタカナ英語と英語との距離は英音と米音との距離
     の数百倍もあるからなのでしょう。Udaさんのトレーニングの
     後に英国調で音読するとすこぶる調子が良かったです。そ
     れぞれの母音・子音やイントネーションは基本的には同じよ
     うな気がしました。

     もし英国流をめざしている方がいらしたら声を大にして言い
     たいのですが、英国流だ米国流だと騒ぐ前に、日本には
     存在しない英語の音をしっかりと体験することが大切です。

     米音と異なる部分を手軽に真似しただけの英音は今すぐ
     に捨て去ったほうがよさそうです。音が本当に聞えてくると
     米国流と同様に、英国流の音は鼻やのどによく響いている
     ことなどに気づくと思います。


     あとがき

     とてもすてきな時間を過ごしたのでとてもすてきな体験談が
     書けるかと思ったのですが、結局私の体験は私に先立って
     トレーニングを受けた方とそんなに変わらないようですね。

     それだけ私たちには共通した問題点(母国語の影響・教育
     方法による)があるのでしょう。

     赤ん坊は生まれてはじめて「いちご」を見たときに「いちご」
     という名を知らないから「!」と感じることでしょう。英語の
     音もそのような無垢な心で聞いてみると、それだけでたくさ
     んの発見があると思います。

     トレーニングを受けない方もぜひ「30音」を読んで、じっくり
     と付属のCDを聞いてみていただきたいと思います。

     それと、自分の声を録音して手本と比べることは絶対にし
     なければいけませんね。
     じっくりと聞けば素晴らしい成果があると思います。

     トレーニングをした1日はすばらしい日になりました。英語の
     訓練になったのはもちろんですが、それにとどまらない体験
     をしました。

     人間は正しい練習をすれぱこんなに能力を伸ばすことがで
     きるという思いを味わえたし、自分の体験をすばらしい表現
     で人に伝えることのできるUdaさんと刺激的なやりとりがで
      きました。
     最高の「心の解放」とでもいうような思いは心の宝になると
     思います。

                         白倉 淳一 [Yokohama]

    





     

    フルートを演奏する白倉さんは
    声の出し方を楽器の演奏と対比させたり、何かの説明に音楽用語
    を使われたりで、とても印象的でした。

    「ニュースを聞きながら、今日はどうもヘンだと思ったら音声の切り替
    えを間違えて、日本語で聞いていたんですよ。英語のニュースを」と
    いう白倉さんは
    「リスニングは読解力で築かれる」と断言されていました。



     ※下記はトレーニングから3週間後のお便りです。


     




    最近の様子

    ついこのあいだおじゃましたと思ったら、もう3週間も過ぎて
    しまいました。最近の様子を少しお伝えしておきます。


    1.映画のビデオを見るのがとても楽しくなった。

     トレーニングを受けてから会話が多そうな作品を借りるよう
     になりましたが、教材として実にいいですね。今まであまり
     ビデオを借りなかったのをちょっぴり後悔しています
     (映画は以前から好きですが)。

     最近見たものでは、One Fine Day (ある晴れた日) が内容・
     会話共 にとても楽しめました。口元が良く見える場面が多く
     て、音の出し 方がよくわかります。皮肉って言い返すときの
     イントネーションな ど、なるほどなと思います。

     Uda さんのトレーニング以後いろいろな話し手について積極
     的に聞くようになったので、子役の英語もよくわかりました。
     この作品はおすすめです。

     主役の Michelle Pfeiffer と George Clooney の二人の声
     は鼻腔・ノドによく共鳴しています。


     2.ニュースでも人によって読み方が違うのが
      よくわかるようになった。

     口がよく「運動」している人、動きを節約している人。
     自分の感情が現れやすい人とそうでない人と。

     見た目が違ってもちゃんと英語になるところが不思議といえ
     ば不思議です。


     3.文の中での強弱に注意するようになった。

     ニュースのようにはっきりと読むときでも、弱いところはちゃ
     んと弱いですね。私は冠詞・前置詞を正しく使おうという意
     識が強いと音まで強くなってしまうときがありましたが、最
     近は自然な流れを意識するようになりました。


     4.米語でも子音ははっきりと発音されることを再確認した。

     なぜか英国の子音は際立って聞えますが、米語の子音も
     それに負けずに明瞭ですね。

     米語には特有の reduction のために全般的に子音が弱い
     ような第一印象があるのですが、これに惑わされてはいけな
     いと感じました。


     5.自分で話してもいい調子です。

     手本を真似して話すときに以前よりもずっと注意するようにな
     りました(Udaさん宅でいかにいいかげんに聞いてきたかを思
     い知りましたから...)。

     先日ニュースの録音を聞こうと思って誤って自分の声の録音
     を再生してしまったのですが、native speaker のような声に一
     瞬自分でびっくりしてしまいました。

                           白倉 淳一[Yokohama]

     ● お知らせ

     トーストマスターズ 全日本スピーチコンテスト 

     1999年6月19日 藤沢市
     聴衆参加料は \500 です。
     ゲスト:Graham M. Harris
          (「欧米流スピーチのすすめ」を生島ヒロシと共著)

     http://home.catv.ne.jp/dd/kohei/





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