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    実弾射撃レポート
    < Akane さんの US体験レポート> 



  Bellingham(USA) に2週間ホームスティをしていた
  Akane さんが「実弾を撃った!!」と体験レポートを
  送ってくれました。

     Bellingham Police Explorer
     I shot a gun.

                               
    アメリカはボランティア活動の盛んな国だ。
    私の host sister をしてくれた Kyla もボランティア活動に参加
    していた。Kyla が参加しているのは"Police Explorer"と呼ばれ
    る活動だ。そして彼女のお父さんで警察官として働いている Carr
    もこの活動にアドバイサ−として参加している。

    "Police Explorer"とは日本語にはなく、訳しにくい言葉だが、
    "警察調査隊"とでもなるのだろうか。つまり、警察官の人たちが
    日々どんな仕事をしているのかということを、実際にお手伝いをす
    る事によって学ぶという高校生向けのボランティアだ。

                    

    日本の中学校によくある、職場体験学習と少し似た部分はあるが、
    そんなに甘っちょろいものではない。もっと凄く内容の濃いもので、
    各自にきちんとした制服も配布され、警察署へ行くとexplorer 達
    の写真がずらりと壁にある。

    私がベリンハムに滞在している間に、2回あった集まりでも、その
    本格的さが感じられた。参加したのはどちらも射撃訓練。

    1回目は Fire Arms Training System = FATS と呼ばれる機械を使い、
    レ−ザ−光線の出る銃でスクリ−ンに映し出された犯罪者や的を
    狙って撃つシュミレ−ション訓練だった。

    これを行う前に、まずアドバイザ−から銃を使わざる得なくなった時、
    人間はどのような心理状態になるのか、もし犯人がナイフを持って襲
    いかかってきた時、半径何メ−トル以内に迫ってきたら発砲するべき
    なのかなどと、かなり実践的な指導を受けた。 

    この訓練の中では、大きさがいろいろに変化する的を打ち抜くことの
    他に、いろいろな状況に応じて、的確に犯人を見極め、即座に撃つ
    という内容のものもあった。

    そこでは犯人を威嚇するために、"銃を置け!"、"止まれ!"などと
    スクリ−ンの中の犯人に向かってみんな真剣に大声で叫んでいて
    圧倒されてしまった。 

    2回目に行った射撃訓練は本物のピストルを使うものだった。
    射撃場の中にはいると発砲したときの銃の音と振動が伝わって
    きて耳パッドをしていないと、鼓膜が破れそうだった。

    初めて見るピストルに驚いていたら、"あかねもやってみる?"
    と聞かれ、"とんでもない!"と思ったが、何事にも挑戦するべきだ
    と思い、やってみることにした。

    撃った瞬間、火花が散って、ものすごい力が体に加わって、支えて
    貰っていないと飛ばされそうだった。もっと映画で見たようにバンバ
    ン撃てるものだと思っていたのに、握り方も分からなくて、おまけに
    ピストルはずっしり重たく、引き金を引こうとしても堅くて1本の指で
    引くところを2本の指でようやく撃つことが出来た。

    私とは正反対に explorer の子達は正確に遠くにある的を打ち抜い
    ていた。あまり慣れているというのも少し恐い気がする、本当に使
    わなければならない時が来ないで欲しいと思った。

                    


    私が直接体験出来たのは、たった2回の射撃訓練だけだったが、
    これだけでもいかに explorer の活動内容が濃いかが分かった。 
    その他にも、月に2回のミ−ティング、地元や国の活動を支援する
    ための募金集め、混雑時の群衆の誘導や、駐車違反の取り締まり、
    緊急時の無線連絡の方法などなど。

    そしてこれらの活動から得た知識や経験を他の地区の警察署の
    explorer 達と比べあうための"National Gathering"というものまで
    開かれている。

    explorer と言う名前のボランティア活動は、警察だけにどどまらず、
    他にも病院や消防署、海上での訓練を行う explorer もある。
    explorer のボランティア活動は職業訓練のような部分が大変多く、
    将来本物の警察官になりたいと考えている人にはいい経験になり、
    大変魅力的なボランティアだ。

    現在の Bellingham Police Explorer は女子5名,男子7名の計
    12名。すべて Bellingham 周辺に住む高校生で構成されている。
    将来大学を卒業し本物の警察官になる人が、毎年1/3くらいの
    割合で出ているそうだ。

                    

    さて、 explorer の他にも、アメリカの警察の事について追記してお
    きたいことがある。
    私の host father も警察官だと前に書いたが、私が今まで会った
    警察官の人たちに共通しているのは、だれもがとても明るく気さく
    で、それぞれが自分の経歴や趣味、みんなにあてたメッセ−ジな
    どが裏にかかれ、表に個人の写真か印刷されているトレ−ディング
    カ−ドを持っていることだ。

    まるでアイドルかスポ−ツ選手かなにかのようだが子供達にとって
    警察官を身近な存在にする事によって少年犯罪の増加を減らそう
    という工夫のなされたおもしろい方法だと思う。 

    アメリカでは麻薬による犯罪も大変深刻なようで、D,A,R,E program
    というものがあり、そこから麻薬犯罪を減らそうという目的でいろいろ
    なキャンペ−ングッツが作られている。
    
                   ※ D.A R E. = Drug Abuse Resistance Education

    マグカップ、Tシャツ、トレ−ナ−、鉛筆、消しゴム、ファイル、
    ノ−ト、バッジなどなど。私が知らないものもまだまだたくさんあると
    思うが、これもまた、いかにもアメリカらしいユニ−クな試みだと思う。

    今まで挙げてきた例や、explorerの養成も含め、書ききれないほど
    あるいろいろなアメリカの警察の活動方法には感心させられること
    が非常に多い。 一体、日本の警察は何をしているんだ!と、言い
    たくなるが、こんなにアメリカの警察がいろいろな試みを表に出して
    いるのは、いかにアメリカが犯罪大国であるかということの現れでも
    あると思う。

    日本はアメリカに比べかなり安全な国なんだ、とこれらの事を持って
    改めて感じた。
   


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